VRで渾身のパンチを叩き込む! 個性豊かなキャラだらけのVR対戦アクション『Brazen Blaze』αテストレビュー
縦横無尽に動き回り、渾身のパンチを叩き込む爽快感を存分に堪能できるゲームプレイ
それでは、実際にαテスト版をプレイしたインプレッションをまとめていきたい。個人的に最も好感を抱いたポイントは、動きのスムーズさだ。前述の通り、本作はブーストによる移動がメイン(左スティックでの移動も可能だが、ステージが広いので細かい移動に使うことが多い)となるため、都度向かいたい場所に瞬間移動する形になる。これがかなり直感的にコントロールすることができるため「VRかつ一人称」という激しい動きに向いていないプレイ環境にも関わらず、数回の試合をこなすだけである程度思った通りに自分のキャラクターを操作することができた。このような仕様であるために(筆者の場合は)VR酔いに悩まされる機会も少なかったのも大きなポイントといえるだろう。
戦闘に関しては、基本的には近接攻撃(もちろん実際に自分の腕を振る!)がメインとなっており、ブーストを駆使して相手の元へと飛び込み、力強くパンチを決めることで最もしっかりとダメージを与えることができる。銃も使うことができるのだが、明らかに近接攻撃と比較して与ダメージ量が控え目となっており、これだけで相手を倒すのはかなり難しそうな印象を受けた。VRということで照準は自分で狙う必要があり、反動も大きいため、遠方からチクチクと攻めるのも大変そうである。基本的には「中距離は銃を使ってダメージを削りつつ、隙を見計らって近付いて近接を決める」というのが一般的な戦闘スタイルなのではないかと感じている。相手の元へと飛び込んで思いっきりパンチを決めた時の爽快感といったら、それはもう格別だ(最後のキルに関しては相手を画面外へと吹き飛ばす演出まで用意されている)。
スキルやアルティメットについても、上でまとめた通り、それ自体が主要なダメージソースになるというよりは、あくまで戦闘を有利にするための効果を発揮するものになっている。個人的には(VRということもあり)相手の姿を見失ってしまう機会が多かったため、スカイボルトの「プレデターアイ」にはかなり助けられた。一方で、敵に回したときに最も厄介だったのは、正面突破を困難にするレガシーの「シールド」である。とはいえ、やはり全体としては「いかに連携して相手に近接攻撃を決めるか」という部分に最も重きが置かれており、この辺は『Apex Legends』などに倣っているということなのだろう(たとえば、スカイボルトは銃攻撃がメインとなるが、HPがほかのキャラより少ないために前線に出るのが難しく、ほかのキャラにトドメを刺してもらう機会が多い)。
ところで筆者はいわゆるPvPシューターがそれほど得意ではなく、今回のαテストでも早々に脱落してしまう試合が多かったのだが、意外と面白かったのがキルされてしまった後の観戦である。空間全体を自由に移動しながらステージを眺めることができるのだが、キャラクターの移動量と速度が尋常ではなく、まさにスーパーヒーローの戦闘シーンを見ているかのような感覚を味わえるのだ。あらためて「こんなに激しい動きをしていたのか」と驚かされるし、双方の動きが見えるので次の試合に向けての学習の機会にもなる。配信との相性も良さそうだ。
また、VR特有の問題点についても、前述の通りVR酔いについては移動方法が工夫されているためにあまり悩まされることはなかった。視点の移動については、右スティックを使って、一定の角度ごとにカチカチと切り替えるのか、通常のゲームのように入力に応じてスムーズに動くのかを切り替えることができるのだが、個人的には前者が合っており、後者にするとややVR酔いが発生してしまった。それよりかは、ゴーグルを付けた状態でパンチするため、周りのものはある程度片付けておいた方が良いだろう(プレイ中に一度、危うく自宅のテレビを殴りかけた)。総じてVRゲームとしては快適な部類だ。
今回はあくまでαテストであり、『Brazen Blaze』の核となる部分だけを体験したような形となる。だが、ブーストを駆使してステージを縦横無尽に移動しながら、相手に渾身のパンチを自ら叩き込む爽快感はいままでにないもので、汗だくになりながらも「もう1マッチやろう!」と、気付けば病みつきになってしまった。同じような人は多かったようで、公式Discordによればαテスト参加者の平均プレイ時間は74分という、常に何かしらの負担に悩まされることの多いVRゲームとしては驚くべき数字を叩き出している。いかに本作のポテンシャルが高いのかをよく示しているといえるだろう。今後はβテストも予定されているとのことなので、気になる方はぜひ、情報をチェックしてみてほしい。
『Brazen Blaze』は発売時期未定。Meta Quest 2/ Steam VR向けに発売予定となっている。
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