無事に帰るまでが強盗! 挑戦失敗でも“リベンジ欲”高まる『PAYDAY3』試遊レポート
9月22日、「PAYDAY」シリーズの最新作となる『PAYDAY 3』(PLAION, プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC)が発売された。前作『PAYDAY 2』からなんと約10年ぶりとなる続編である。
そんな同作について、9月21日から24日に開催された『東京ゲームショウ 2023』では試遊版のプレイアブル出展が実施されていた。リリース時期と重なるちょうどいいタイミングということもあり、一度試してみようと試遊の列に並んだという方も多いのではないだろうか。筆者もまたそんな同作の試遊版をプレイした一人であり、本稿ではそのプレイレポートをお届けする。
『PAYDAY 3』は、『Left 4 Dead』や『World War Z』といった、いわゆる協力型シューターの系譜に位置する作品だ。ただし、これらのゲームが「敵を倒してレベルをクリアする」ことを目的としているのに対して、このゲームは主に「銀行強盗の成功」がゴールとなる。もちろんその過程では銃撃戦が勃発する可能性が極めて高いものの、正々堂々と正面から突撃する王道(?)のスタイルに加えて、銀行員や警備員に気づかれないように厳重なセキュリティを突破し、隠れて現金を盗み出すというアプローチも可能である。つまり、シューター要素に加えて、「ヒットマン」シリーズや『DEATHLOOP』のようなステルスゲームやイマーシブシム的な側面を持ったゲームになっているというわけだ。
とはいえ、実は過去作未プレイの筆者。以前から「難易度が高い」という噂は耳にしていたうえに、担当者の方にも試遊前に「クリアは難しいと思います」とダメ押しの言葉を頂き、これから強盗に挑戦する人物とは思えないほど不安で胸がいっぱいの状態で、ターゲットとなる銀行へと向かっていった。
さて、「PAYDAY」シリーズといえばオンラインでの4人マルチプレイというイメージが強いが、今回の試遊では3人の味方AI(ボット)と一緒に挑戦するシングルプレイ形式となっていた。実際の製品版でも同様の形式で遊ぶことができるようなので、知らない人と一緒に遊ぶことに抵抗のある方も安心して良いのではないだろうか。今回挑戦するのは、都会にある銀行の支店から現金を盗み出すという、まさに王道の強盗ミッション。ブリーフィングの際にも、前述の通りステルスでも正面突破でも好きなアプローチを選んで良いという記載があったため、せっかくなのでまずはステルスでのクリアに挑戦してみることにした。
現場に到着し、ターゲットとなる銀行の周囲を観察してみると、外から建物の内部へと入る侵入ルートをいくつか確認することができた。もちろんそれらが無防備に放置されているわけもなく、周囲には警備員や監視カメラがしっかりと配置されており、それらに見つからないようにセキュリティシステムの解除を目指すことになる。序盤は何とか建物の内部まで侵入することに成功した筆者だったが、緊張していたことも影響したのか、ルートを探索しているうちにあっさりと職員に発見されてしまい、瞬く間に銀行中にけたたましい警報の音が鳴り響いてしまった。こうなったらリカバーするのは不可能。すぐにマスクを装着し、銃を構え、戦闘モードに突入である。
とはいえ、金庫室が厳重に守られているという状況自体は変わっていない。正面突破といえども、ちゃんと金庫室へと入り込むルートを作る必要がある。今回のミッションではサーマイト(テルミット)を金庫室の上のフロアに設置し、天井ごと焼き切るという大胆な作戦に挑むことになったのだが、完全に焼き切るのにはある程度時間を要するため、その間にも続々と大量の警察(警備)がこちらへと向かってくる。しかもこちらが相手を倒せば倒すほどに、警察側も増援の装備を強化して現場に送り込んでくるため、前半こそ「意外となんとかなるかも」と呑気にシューター要素を楽しんでいたのだが、数分後にはそんな余裕は完全になくなり、頭上を飛び交う大量の銃弾に悲鳴を上げながら、物陰に隠れて必死に抵抗し続ける羽目になった(それはそれで映画などでよく見る光景であり、楽しいといえば楽しいのだが)。
それでも苛烈な銃撃戦をなんとか切り抜け、サーマイトも無事に役目を果たし金庫室へと降りると、ついに目の前には札束の山が! だが、目の前にお金があっても実際に持って帰らなければ意味はない。まさに「帰るまでが強盗」であり、ここからは現金輸送車へとお金を運び込み、現場から脱出するフェーズのスタートである。輸送車は銀行を出た通りに配置されているため、現金を運び込む過程では遮蔽物の少ない開けた空間に出ることになる。さらに増援もいよいよ本気を出し、あらゆる方向から次々と大量の警備が登場するわ、「Call of Duty」シリーズのジャガーノートを彷彿とさせる重装兵も出てくるわで、もはや現金を運ぶ余裕などまったくない。さすがに限界が訪れ、味方AIよりも先にダウン。蘇生してくれるのはありがたいのだが、ここからダウンと蘇生を繰り返すという死のループに突入し、いよいよ味方AIも全員倒れてしまい、初めての『PAYDAY 3』の強盗は見事な大失敗に終わってしまった。
とはいえ、試遊を終えて感じたのは、「ステルスをちゃんとうまく成功させていれば」、「もっと手際よく金庫室に突入できていれば」という次回の挑戦への展望である。イマーシブシムといえば、プレイを重ね、自らの知識とともに可能性を広げていくのが醍醐味だ。いまは早く製品版でリベンジしたいという気持ちでいっぱいである。
※マッチングの問題を解決するため、9月29日にメンテナンスが実施予定とのこと。
『PAYDAY 3』(PLAION, プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC)は現在発売中。また、Xbox Game Passにも対応している。
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