“声援を思い出に残す” コロナ以降の新たな体験装置『Yell Selfie / エールセルフィー』をHYTEK×博報堂アイ・スタジオが開発

 HYTEKは制作パートナーの博報堂アイ・スタジオと共に「来場者の声援を可視化し、その様子を思い出に残す新体験装置」こと『Yell Selfie / エールセルフィー』を開発した。

Yell Selfie / エールセルフィー

 『Yell Selfie』は「せーの!」の掛け声でキーワードをメガホンに向かって大きな声で叫ぶと、その声援がカメラのシャッターの合図になり撮影がスタート。その後、声援の最大音量の瞬間を切り取ったカードがプリントされ、思い出の品として持ち帰ることができるというものだ。

 フェスでは推しへのメッセージを、スポーツ観戦ではチームへの熱い応援など、場所やイベントに合わせキーワードやカードのデザインをカスタマイズすることができる。さらに、エールを送る瞬間は映像としてデータベースに蓄積され、集まったエールは会場のビジョンやサイネージからも発信される。声援と笑顔が重なり、イベント全体に一体感をもたらす拡声装置となることを目指すとのこと。

 開発の背景には新型コロナウイルス感染症が「声援」の在り方を変えたことが挙げられる。コロナの影響によりこの数年間、様々なイベントから声援というものが失われてしまっていた。そして2023年、日本でも新型コロナウイルス感染症が第5類に移行し、世界的にも様々な会場で観客の声出しが解禁され始めている。こうした状況を踏まえ、エンターテインメントの現場をより一層楽しい体験にするために、参加者が忘れかけている「声を出す」という行動自体を可視化し、その様子を思い出に残す新体験装置『Yell Selfie / エールセルフィー』が開発された。

 本プロダクトはすでに8月26・27日に兵庫県三田市で行われた音楽フェス『ONE MUSIC CAMP』にて、2日間で100組200名以上の人が『Yell Selfie / エールセルフィー』を体験。「叫ぶのが楽しかった!」「次は最大音量超えてやる!」「クオリティ高いカードがもらえるのは嬉しい」などの声が集まり、2日で何回も体験した人も多かったという。

ONE MUSIC CAMP主催者の声(株式会社ONE 佐藤 大地氏)

「『みんなでいっしょに大きな声を出す』それがこんなに楽しいとは。普段はなかなか出さない大声で大切な人たちと一緒に『エール』すると自然と一体感が生まれ、お客さんはみんな笑顔になっていました。『エールセルフィー』は声と感情を引き出しかけがえのないその一瞬を残してくれる、体験価値の高いプロダクトです」

 HYTEK Inc.と博報堂アイ・スタジオはこれまでにも共同制作を行ってきた。Yell Selfieは、2021年に開発した検温を思い出へと変換する『Thermo Selfie / サーモセルフィー』の後継プロダクトである。検温の様子をフォトカードとして印刷するThermo Selfieは、テキサス州オースティンで行われたカンファレンスである『SXSW』や、プロサッカーリーグ試合会場、結婚式場など様々な場所で展示された。コロナ禍に暗い空気が漂っていたエンターテインメント業界から発明されたポジティブなプロダクトとして、The Webby AwardsやACC TOKYO CREATIVITY AWARDSなど、様々なカテゴリーのアワードにノミネートされている。

 そして2023年になり、様々な場所で検温が見かけられなくなってきたいま、エンターテインメントの現場には新たな体験が必要とされているという問題意識のもと、本プロダクト『Yell Selfie / エールセルフィー』の構想がスタートした。この2年間の声を出せない期間を経て、元々は声を出していたタイミングでも拍手をするようになっていたりと、少しばかり受動的になってしまった体験を、より前のめりで一体感のある体験へと変化させる装置として本プロダクトは開発されている。

『Yell Selfie / エールセルフィー』:https://hytek.co.jp/works/yell-selfie/
「Thermo Selfie / サーモセルフィー」 公式:https://hytek.co.jp/works/thermo-selfie/

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