にじさんじ・イブラヒムが放つ色とりどりな魅力 溢れ出る創造性とフランクな雰囲気が人を惹き付ける

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。

 育成プロジェクトであるバーチャル・タレント・アカデミー(VTA)からも新規ライバーがデビューし始めており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与えるだろう。

 当連載では年内最初の更新となった1月7日から、半年近くにわたってにじさんじの2019年デビュー組を順々に紹介してきた。

 実際にデビューした人数はのべ43人(引退・活動休止したタレントも含める)。その面々は、2018年にデビューした1期生・2期生・ゲーマーズ・SEEDs組と比較しても、決して劣ることのない存在感を発揮している者ばかりだ。

 後年、ここまでの時期を振り返って「とんでもない勢いで毎週デビューしていた」「全人類にじさんじ化計画」という言葉で形容されているが、実感としては今年2023年の新人デビューよりも速いペースでデビューしていたと伝えれば良いだろうか。

 今回からは2020年以降にデビューした面々を紹介していくが、注目すべきポイントとして、この年からは新人デビューのペースが一気に落ちているのだ。

ゲームならなんでもござれ? オールマイティなゲームプレイが魅力のイブラヒム

 矢継ぎ早のデビューが続いた時期にあって、2020年1月30日にSNSへ初投稿、翌日2月1日には初配信をおこないデビューを飾ったのがイブラヒムだ。

〈参考:【初配信】0.1mgでクジラとか動けなくする石油なんだけど【にじさんじ/イブラヒム】

 コーヴァス帝国出身、銀髪に褐色の肌、薄めの青色と黄緑色が混じった瞳、民族衣装を思わせる服装、全体的にアラビアンなルックスで人を惹きつける、根強い人気を誇る男性タレントだ。

 配信内容は基本的にゲーム実況をメインとしており、夜から深夜帯にかけて配信することが多い。ホラーゲーム以外であればどのようなゲームジャンルでもソツのないプレイを見せるなど、高いゲームセンスを持っており、たとえ発売してすぐのゲームを初見プレイしたとしても、配信の間でゲーム内容と求められる正解のプレイをさらりと導きだしてしまうこともあるほどだ。

 自身がデビューした約1年後に開催された『VTuber最協決定戦 SEASON2 Ver. APEX LEGENDS』において、勇気ちひろ、ラトナ・プティと結成した「なんもしてねぇ」で優勝を果たしたのを筆頭に、『VALORANT』『Overwatch 2』『レインボーシックス シージ』『スプラトゥーン』といったシューティングゲームを軸にして、にじさんじ内外を問わずにさまざまなカジュアル大会へと出場してきた。

 それだけでなく、その高いゲームセンスを活かして『League of Legends』のようなMOBAジャンルから、『ポケットモンスター』シリーズなどのRPGジャンル、『DARKSOULS』『ELDEN RING』を筆頭にしたいわゆる「死にゲー」と言われるアクションゲームタイトルに至るまで、どのようなゲームジャンルでも難なくプレイできるーいわばオールマイティなゲーマーだ。

 その端正で線の細いルックスに対し、声色は意外なほどに太めであり、配信中はリスナーやファンに対して「お前ら」と呼んだりするなど、ぶっきらぼうな口調で話すことも多い。ゲームの内容やギミックに対して淡々とツッコミを入れつつ、ソツのないプレイでゲームを進めていく姿は多くのリスナーを魅了している。

 裏表のあまりない性格はリスナーやタレントからも好まれ、にじさんじ公式番組『にじさんじのB級バラエティ(仮)』で早瀬走とともに司会役を務めるなど、周囲からの好感度が高い人物といえよう。

【君のままで】にじさんじのB級バラエティ(仮)#57【変わらないで】

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