DLC2種を開発中の『FF16』 ストーリー“補完”の可能性と、最新動向から考える評価の行方

『FF16』の評価は今後、DLCありきで語られていく

FINAL FANTASY XVI “REVENGE”

 やがてリリースされる『FF16』のDLCは、同タイトルの評価にプラスに働くものとなるだろうか。

 ここ何作かのシリーズのナンバリングを振り返ると、一部のタイトルがもたらすゲーム体験は「一本道」とも非難されやすい。「寄り道をしながら冒険をする」というRPGの一要素が少なからず削減されている点は、否定できない事実であるだろう。こうした仕様は一般に、「ストーリードリブン型」と呼ばれている。(JRPGの対義語として“欧米産”を差す)WRPGによくあるようなロールプレイ/没入型のタイトルが台頭したことで、近年になり定着しつつあるゲームの分類だ。シリーズにとっては、システム以上にシナリオを楽しんでもらうコンセプトがあってのことなのだろう。その意味においては、ひとつの方向性に則って制作を行った結果の批判とも言える。

 しかしながら、「ファイナルファンタジー」が“ストーリードリブン”となったのは、なにも直近の話ではない。シリーズのファンがマストに掲げるような過去の作品でも同様の傾向はあった。特にグラフィック面での進化が代名詞となった『FINAL FANTASY VII』以降の作品では、その傾向もより顕著だったように感じる。このことは、2020年4月に発売となった同ナンバリングの23年越しのリメイク作品『FINAL FANTASY VII REMAKE』がもたらす体験からもうかがえるだろう。

 そのうえで『FF16』DLCの開発・リリースが持つ意味を考えるとするならば、それは同タイトルの魅力の根幹となっているストーリーが補完・完結していくことにほかならない。ただでさえ、『FF16』のシナリオは語り尽くされていないとされ、未完であるとさえ言われている。そのようなインプレッション(もちろん必ずしもすべてを分かりやすい形で語ることが作品にとって良しとされるものとは思わないが)を抱える同タイトルであるからこそ、熱狂的なファンや、DLCのリリース以後に手に取る層にとっては大きな意味を持っていくことになるだろう。今後の評価は、その出来まで含めての判断となっていくのかもしれない。

 『FF16』DLCのリリースはいつごろになるだろうか。同タイトルも前作『FF15』同様、尻上がりに評価を上げていく作品になるような気がしてならない。

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