ソニー最新ミラーレス『α7CⅡ』『α7CR』体験レポート コンパクトなボディに最新機能を惜しげもなく詰め込んだ“唯一無二のカメラ”

 8月29日、ソニーからデジタル一眼カメラ「α」シリーズの最新機が発表された。「Compact(コンパクト)」を意味する『α7C』の後継機として登場した『α7CⅡ』のほか、「Resolution」を意味する高画素機ラインの要素も兼ね備えた『α7CR』の2機種が登場する。

『α7CⅡ』(左)、『α7CR』(右)

 今回、編集部は発売に先駆けた製品体験会に参加した。フルサイズ機ながらコンパクト、それでいて最新機種に搭載された技術・機能が詰め込まれた最新機種の実力はいかに。「C」シリーズだからこそ輝く進化ポイントをいくつか紹介しよう。

待望の「AIプロセッシングユニット」搭載 何気なく撮影した一枚もベストショットへ

手前の花の向こう側から顔が見えた瞬間にはすでにピントが合っていた。 α7CⅡ + SONY FE50mm F2.5 G (ISO400・50mm・F2.5・1/200秒)

 『α7CⅡ』『α7CR』一番の注目ポイントといえば、昨年発売した最新機種『α7R Ⅴ』に初搭載され、驚きをもって迎えられた「AIプロセッシングユニット」が搭載されたことだろう。ディープラーニングを含むAI処理によって、人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機などの被写体を高い精度で認識してくれるというもので、「リアルタイム認識AF」と「リアルタイムトラッキング」の性能は素晴らしいの一言に尽きる。

明るさは少々調整済み。振り向く瞬間には瞳にバッチリピントが合っている。 α7CⅡ + SONY FE50mm F2.5 G (ISO200・50mm・F2.5・1/250秒)

 被写体が背を向けていたり、サングラスで顔の一部が隠れていても被写体を追尾して瞳にピントを合わせてくれるので、ちょっとしたお出かけのときに撮った何気ない一枚であっても、ベストな瞬間を常に切り取ってくれるだろう。

 体験会場にいたモデルの方で試してみた所、どんな状況でもバッチリピントが瞳に合うのはやはり驚かされる。後ろを向いていても頭部をしっかり認識し、振り返った瞬間には瞳にフォーカスが合っているし、横顔でも瞳にピントが合う。フォーカスはAIにまるっとおまかせして、撮影者は構図や被写体のポーズに集中できるので、心の余裕が段違いだ。

いや、これはちょっと欲しいなぁ……。

より強力になった「ボディ内手ブレ補正」で暗所や望遠への対応力も◎

約6100万画素を誇る『α7CR』

 ボディ内手ブレ補正は『α7CⅡ』『α7CR』ともに7.0段へと進化。こちらは『α7R Ⅴ』と比較すると1.0段分落ちる形となっているが、それでも『α7C』から比較すれば進化しているうえに『α7 Ⅳ』よりも強力というのだから文句はない。

 暗所でシャッタースピードを落とした際の手ブレや、望遠レンズを用いて遠くの景色を撮影した際に非常に役立つだろう。さらに、『α7CⅡ』は約3300万画素へと進化しており、『α7CR』に至ってはRの名に恥じぬ、約6100万画素という高画素機となっている。焦点距離を約1.5倍稼げる「Super35mmモード」と併用すれば標準ズームレンズ1本で幅広いシーンを撮影できそうだ。

 気軽に撮影がしたい、遠くの景色も残したい、でも大型の望遠レンズを持ち歩くのは大変……そんなワガママな要望に応えてくれるのが最大の魅力といえよう。

本体の機構周りも進化ポイントが多数 電源オフ時のセンサー保護機能も搭載

センサー保護シャッター

 本体の外観を見ていくと、グリップ部の素材が他のαシリーズ同様にテクスチャー加工が施されたものになっていることに気づく。グリップも前モデルとくらべると少し深くなっているので、握りやすさに関してはかなり進化している。前ダイヤルもしっかり搭載し、コンパクトさを維持しながらも本格的な撮影にも使いやすくなっている。

 また、『α7 Ⅳ』から搭載されたセンサー保護シャッター機能も使用できる。こちらはシャッターの開閉によってホコリが舞うなどの理由から嫌うユーザーもいるが、任意で設定できるわけだし、使えるにこしたことはない。「できる・できない」よりも「使う・使わない」のほうが絶対にいい。

 『α7C』の弱点でもあったファインダー周りも順当に進化した。以前の約0.59倍・約236万ドットから約0.7倍・約236万ドットとなり、明るさに関しては『α7R Ⅴ』と同等の輝度となったことで見やすくなっているのは嬉しいポイント。

 コンパクトなボディゆえある程度制限されるのは仕方がないところだが、それでも欲張ってしまうのがユーザーの性。ソニーが調査した「『α7C』購入者の要望」ではいくつかの項目が挙げられていたが、そのほとんどに応えてくれていると感じた。

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