『ピクミン4』『Pokémon Sleep』など「タスク管理型ゲーム」が台頭中 トレンド化の兆しを見せる背景は?

トレンド化の兆しを見せる「タスク管理型ゲーム」 台頭の理由は?

『元祖 なめこ栽培キット』PV(2021年6月30日配信開始)

 なぜいま「タスク管理型ゲーム」が台頭しつつあるのか。そこには、相互に関連するいくつかの理由があると考える。

 ひとつは、独特のゆるさを持つゲームに対する需要が高まっている点だ。草創期・発展期のゲームカルチャーは、ひとつの作品にたくさんの時間を割きながら、没頭して楽しむ文化だったように思う。しかし最近では、複数のタイトルを同時進行しながらゲームを楽しむプレイヤーの姿もよく見られる。たとえば、「家庭用ゲーム機でひとつのタイトルを進めつつ、空いた時間でモバイルゲームを継続的にプレイする」といった例だ。ほかにも、集中力を要し、疲労感の高いバトルロイヤルなどのジャンルと並行して、まったり楽しめるタイトルをワードローブに抱えているケースもあるだろう。ゲームの遊ばれ方の変化が、プレイヤーが積極的に進行に関わらなくてもよいゲームへの新たな需要を生んでいる側面がある。

 その背景には、ゲームカルチャーが年齢・性別の縛りから解放されつつあることも少なからず影響している。かつての同文化はどちらかと言えば、若年層の男性がメインボリュームだったが、近年では、それ以外の層に好んで触れられる機会も増えてきている。少なくとも、ここ10年ほどのゲームカルチャーは、草創期・発展期のように莫大な時間を捧げながら楽しむだけのものではなくなってきた。その発露が独特のゆるさを持つゲームに対する需要の高まり、「タスク管理型ゲーム」の台頭につながっているのではないだろうか。

【公式】『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』使い方の紹介

 また、そこには、音楽・映画・書籍といったコンテンツのサブスクリプションサービスが浸透したことによる、可処分時間の奪い合いの影響もあるのかもしれない。制作側はユーザーがそうした他の文化と両立できるよう、できるだけ自コンテンツに縛り付けない工夫を施している面もある。「タスク管理型ゲーム」の例として挙げた『Pokémon Sleep』は、これまで手つかずだったユーザーの睡眠時間を進行の肝とすることで、新たなアプローチでゲームプレイを促すタイトルだ。ここにも可処分時間の奪い合いからくる影響を感じ取ることができる。

 無論、「キャラクター性の強い任天堂のIPとの相性が良いこと」「ひとつずつ小さな目標をクリアしていくことによって得られる達成感が、プレイヤーに求められていること」なども、「タスク管理型ゲーム」のトレンド化に寄与しているのだろう。おそらくこれから先も、同様の性質を持つコンテンツが一定数発表されていくはずだ。

 次に話題をさらう「タスク管理型ゲーム」は、どのようなタイトルだろうか。任天堂IP以外からの成功例が増えることで、同ジャンルはよりトレンド性を帯びていくのかもしれない。

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