まるでコックピットのよう! 18インチの大画面が自慢のゲーミングノートPC『Alienware m18』を徹底レビュー
「PCゲームを遊んでみたい」と考えた時、デスクトップPCとノートPCのどちらを選ぶべきか。これは昔から語られてきた問題だが、近年は高性能なノートPCが増えてきたこともあり、さらに難題化してきたように思える。
デスクトップとノート、それぞれに利点があるのは間違いない。だが、ノートPCが抱える致命的な弱点として「ディスプレイが大きくない」という点が挙げられる。もちろん外付けディスプレイを使えば解決できるが、ノートPC本体のみでこの弱点を克服したモデルも存在する。
そのひとつが、デル・テクノロジーズ(以下、デル)のゲーミングブランド「Alienware」から2023年3月に登場した新製品、『Alienware m18 ゲーミングノートパソコン』だ。
最大の特徴は、製品名にもなっている「18」という数字にある。早速、詳しくてみていこう。
まさに最強クラス! サイズもスペックも一級品
『Alienware m18』のスペックは購入時にカスタマイズが可能だ。今回はCPUにCore i9-13900HXを、GPUにGeForce RTX 4070を採用したモデルをチェックしている。CPUは最低でも Core i7-13700HXとなっており、基本性能から高いのがうかがえる。メモリはRAM32GBを選択したが、最高で64GBまで選べる。GPUはRTX 4090も選択可能だ。
同梱物は、PC本体に加えて充電のためのACアダプターとケーブル。ハイパワーなゲーミングノートPCはどうしてもACアダプターが巨大化する傾向があり、本モデルもそれは避けられない。だが、後述する用途であればこれはさほどデメリットにはならないだろう。
冒頭で語った「18」とは、ディスプレイのサイズのことだ。本モデルは18インチのQHD+ディスプレイを搭載しており、その横幅は筆者の腰幅よりも大きい。この大きさは間違いなくノートPCとしては最大級のものだろう。まるで小さなテレビを見ている感覚だ。
背面を見てみると、充電端子やHDMI、USB端子などがまとまっている。一般的なノートPCは側面からケーブルを出すことが多いが、背面に端子があるおかげでケーブルを視界からなくすことができる。エアフローのための排気口も大きく頼りがいがある。
側面にも端子類は備わっているため、頻繁に抜き差しが多い場合はこちらを使うのもアリだ。反対側にはUSB Type-C端子があるため、SSDの接続などもスムーズに行える。
本体の横幅が約41cmもあるため、キーボードエリアはかなり広い。右側にはテンキーも配置してあるため、頻繁に数値入力をする人にも嬉しい。
電源ボタンは発光するエイリアンロゴになっている。こうした細かなデザインも所有欲を刺激してくれる。
底面には吸気のためのスリットが大胆に配置されている。よく見ると周囲がグリルで覆われており、段差になっているのがわかるだろうか。このおかげでスムーズに空気を取り入れつつ、設置時の安定感にも繋がっている。ノートPCで18インチの大画面を実現しているモデルは、非常に少ない。ここまで大画面ならいっそ持ち歩くことは考えず、自宅のデスクを定位置にしてしまうのもアリだろう。その場合はアダプターの大きさや本体重量もデメリットにはならない。
実際、筆者もノートPCは大画面が好きだ。特にゲーム用途であれば画面は大きいに越したことはないし、むしろゲームは自宅で楽しみたいから外に持ち出すことはあまりない。一方で、自宅のリビングや自室など、ちょっとした移動をしたい時もある。これらすべてのニーズを満たしてくれるのが、大画面ゲーミングノートというわけだ。
どんなゲームも任せられる安心感がある
『原神』や『エースコンバット7』、『サイバーパンク2077』など、一通りのPCゲームをプレイしてみた。解像度はQHDでプレイしてみたが、どのタイトルも全くと言っていいほどカクつくことはなかった。なにより、18インチの大画面で見るゲーム画面は圧巻の一言!
しかし、高性能なCPUと大画面ディスプレイを動かすとなれば、PCには相当の負荷がかかる。高い負荷は発熱というかたちで現れるが、空冷ファンによる冷却性能にも抜かりはない。これまで見せてきた大きな給排気口からもそれがわかるだろう。
専用ソフトの「Alienware Command Center」を使えば、PCの温度やパフォーマンスを一覧できる。PCの動作モードも変更可能で、ファンの回転数を高めれば騒音と引き換えに本体を大幅に冷やすことができる。
ゲームプレイ時は一時的にファンが唸りを上げて回転し、その後静音に収まるといったことが何度かあった。唸る時間は数分程度だが、そのわずかな時間でPC表面の温度がぐんぐん下がっていった。ファンによる冷却がしっかり効いている証拠だ。
最後はオンラインゲーム『FINAL FANTASY XV』のベンチマークスコアを紹介しよう。動作モードは静粛モードを選択している。解像度はあえてPCのディスプレイよりも高い4Kを選択したが、思ったほど苦戦はしなかった。FHDに落とせばさらに快適になるだろう。
次は動作モードをオーバードライブに設定し、ノートPCが唸りを上げた状態で測定した。スコアはやや上昇した程度だが、言い換えるとオーバードライブを選択せずとも(ファンの回転を抑えた状態であっても)快適なプレイが可能だと言える。
「3DMark Time Spy」のベンチマークスコアも紹介しよう。こちらは動作モードを静粛で測定した。12,000台という結果が出たが、この数値は解像度がFHDであればどんなゲームも任せられるという値になる。4Kを求めないのであれば十分な数値だ。
いざという時は持ち出せる、据え置き級のノートPC
筆者は大画面ノートは自宅で使いたい派だが、例えば実家への帰省や長期出張など、まとまった空間が確保できるのであれば大画面ノートでも持っていきたい。デスクトップであれば持ち運びそのものが不可能だが、デスクトップに近い没入感を得られつつ、なおかつ持ち出しもできるというフレキシブルさは、大画面ノートの魅力だ。
また、これだけ高い性能を持っているのであれば、映像制作や3DCG制作などのクリエイティブPCとしても十分使うことができる。もちろんVRコンテンツも楽しめるため、ゲーム以外の用途も思う存分任せられるだろう。
2023年に登場した貴重な18インチノートPCとして、『Alienware m18』は唯一無二の魅力を持っている。「こんなに大きくてパワフルなのに、据え置きじゃない」というある種のギャップは、きっと所有者を満足させてくれるだろう。
参考情報
https://www.dell.com/ja-jp/shop/cty/pdp/spd/alienware-m18-r1-laptop