日本での発売が待ち遠しいほど、デザインも性能も光るシャオミのライカスマホ『Xiaomi 13 Ultra』を体験してみた

 最近のスマートフォンのカメラ性能には目を見張るものがあるが、海外のモデルはやりすぎとも言える高性能なカメラを搭載した製品が増えている。その中でも現在最も注目されているのがシャオミの『Xiaomi 13 Ultra』だ。

■5000万画素カメラを4つ搭載する最強カメラスマホ

シャオミと言えば日本ではコスパに優れたスマートフォンを出しているが、海外ではあのライカとコラボした強力なカメラフォンを出している。しかも『Xiaomi 13 Ultra』はシャオミの最上位モデルであるだけではなく、オプションパーツを取り付けることで見た目もデジカメになってしまうのだ。

強力なカメラを搭載する『Xiaomi 13 Ultra』

 『Xiaomi 13 Ultra』はその背面仕上げを見るだけでも普通のスマートフォンには見えない。表面はレザー調の仕上げで、高級カメラのような肌触りだ。ブラック、オリーブ、ホワイトといずれの色もシックで落ち着きがあり、高級感をさらに引き立てていると言えるだろう。そして何といっても大きく目立つのがカメラの形状だ。『Xiaomi 13 Ultra』はまるでデジカメのレンズのように、大きな円形の台座を配置している。

スマホに見えない背面デザイン

 カメラのスペックは、ほかのスマートフォンが追いつけないほど高性能。背面に搭載しているカメラは合計4つ。しかもすべてが5000万画素だ。『iPhone 14 Pro Max』は4800万画素カメラを搭載するが、望遠と超広角は1200万画素にすぎない。『Xiaomi 13 Ultra』はメインの広角カメラがデジカメサイズの1インチセンサーを搭載、さらに絞りを2段階切り替え可能で、f/1.9とf/4.0から選択できる。絞りはボケの撮影にも有用であり、f/1.9で自然なボケを演出する一方、f/4.0にすれば食事の写真を斜めから撮っても後方がボケずおいしそうな絵を撮ることができるのだ。

カメラ部分の出っ張り部分。高画質カメラをスリムな厚さに納めている

 ほかの3つのカメラは超広角、ポートレート撮影に最適な3.2倍望遠、さらに風景撮影に適した5倍望遠を搭載。この5倍望遠はデジタルで最大100倍撮影にも対応し、ハイキングの時に山で見かけた動物や野鳥の撮影もカバーできる。なおこれら4つのカメラ以外に深度測定カメラも搭載している。

カメラ部分をアップ

■見た目もデジカメになるケースとグリップ

 高画質なカメラを4つも搭載していれば本格的な写真撮影も楽しめるが、『Xiaomi 13 Ultra』にはそれをサポートするアクセサリも提供されているのだ。それが『Xiaomi 13 Ultra』をデジカメにしてしまうキットだ。専用のカバーとグリップがセットになっており、これを装着すると『Xiaomi 13 Ultra』の外観はデジカメのようになる。

『Xiaomi 13 Ultra』(白モデル)とデジカメ変身キット

 しかもカメラ部分には69ミリのレンズフィルターを取り付けることができる。レンズフィルターは昔のアナログカメラ時代には星型の光を演出する特殊なフィルターなども販売されていたが、最近のデジカメやスマートフォンのカメラではそれを使う必要性は無いだろう。一方で晴天の日や雪山など周りの環境が明るすぎるときなどは、わざと光の量を減らしてくれる「NDフィルター」を使うとより美しい写真が撮れる。『Xiaomi 13 Ultra』はカメラのようにそのようなフィルターを装着して写真撮影ができるわけだ。

もはやスマホには見えない

 実際にこのケースとグリップをつけて『Xiaomi 13 Ultra』を使ってみた。本体のサイズは一回り大きくなるが、使い勝手はデジカメそのものだ。本体をしっかりと保持できるし、Bluetoothで動作するシャッターボタンもあるので撮影しやすい。ズームの調整もボタン周りのレバーを動かすだけとワンタッチだ。最近のスマートフォンはサイズが大きいため片手で持って写真を撮るとき、本体を落としてしまいそうになることもあるが、『Xiaomi 13 Ultra』ならグリップを握って片手撮影も可能だ。なおこうなると『Xiaomi 13 Ultra』はもう完全にカメラとして使い、もう1台別のスマートフォンをSNSや動画視聴用に使いたくなってしまう。

デジカメのように握りやすく撮りやすい

 『Xiaomi 13 Ultra』には限定カラーのモデルも存在する。鮮やかなイエロー、オレンジ、ブルーの3色だ。いずれもビビッドな色合いが映えるが、どことなくレトロ感も味わえる仕上げではないだろうか。Xiaomi 13 Ultraはライカ監修のカメラを搭載しているが、実はそのライカは自社のデジカメの革の色を35色に交換できる「ライカアラカルト カスタムレザーサービス」を提供している。シックな色ではなく明るい鮮やかな色のレザーに張り替えできるのだ。Xiaomi 13 Ultraの限定色も、そのライカのサービスに倣って一般的なカメラとは異なるカラーリングを提供しようとしているのだろう。

映えるイエローカラーの限定モデル

 ■アナログカメラを感じさせる写真が撮れる

 実際に『Xiaomi 13 Ultra』で写真を撮影してみた。写真の撮影モードには「LEICA Vibrant」と「LEICA Authentic」の2つがある。前者はいわゆるコンピューティショナルフォトグラフィー、最近のスマートフォンで主流のAI処理を最適化させた仕上げ、後者はライカカラーに近い仕上げとなる。今回はLEICA Authenticモードで撮影してみたが、色のコントラストなどは派手に仕上げるのではなく自然に近い、アナログカメラ風に撮れるように感じられる。

LEICA Authenticモードで撮影。外枠に撮影モードを記録することも可能だ

 望遠も5倍あればかなり寄れる。デジタル望遠でより高倍率で撮影すればさらに寄れるが、光学5倍レンズなのでこの写真の一部分を切りSNSにアップしても同等の効果が得られるだろう。デジタル望遠では10倍程度でも画質は十分許容できるレベル、スマートフォンの画面で見るなら30倍程度でも十分いける。

光学5倍望遠なので遠くのものも気軽に撮影できる

 『Xiaomi 13 Ultra』のメインである広角カメラは1インチという大型のセンサーを搭載しているため、より明るく高精細な絵が撮れる。しかしその反面、大型のセンサーは被写体へあまり近づくことができない。近距離撮影も20センチ程度離す必要があるのだ。一方では大型センサーはボケの仕上げも美しい。雨上がりの花を撮影してみたが、なかなかいい感じに撮れているのではないだろうか。このように『Xiaomi 13 Ultra』のカメラは「作品」撮影にも向いているのだ。

1インチセンサーを活かした作例を撮ってみた

 夜景の撮影も味わいは深い。実際はこの写真よりかなり暗いがAIによる明るい処理を施しつつも、派手は仕上げにはしていない。

夜景モードで撮影

 スマートフォンの写真撮影は、撮った後にすぐ加工したりSNSでシェアできる楽しさがある。しかし『Xiaomi 13 Ultra』を手にすると、構図を決めた後に撮影モードをいじりながら数枚の写真を撮り、そのなかから気に入ったものを選んでまた撮りなおす、といったようにデジタルカメラの撮影と同じ体験を味わうことができると感じられた。「日常写真はスマホで、写真作品はデジカメで」なんて使い分けている人も、『Xiaomi 13 Ultra』があればこれ1台であらゆる写真撮影をカバーできてしまいそうだ。いつの日か日本でもシャオミのライカカメラ搭載モデルが発売されることを期待したい。

撮影することそのものが楽しくなるカメラだ

 

iPhone 14 Pro Max超えの世界最強カメラ搭載スマホ『HONOR Magic5 Pro』 100倍ズームで撮影した驚きの風景とは?

数あるスマートフォンの中で、最もカメラ性能がいい製品はどれだろうか?『iPhone 14 Pro Max』やGoogleの『Pi…

関連記事