元教育系YouTuberがセカンドキャリアで“登山”に大幅路線変更 それでも人気安泰と言い切れる理由

 6月3週目、元教育系コンビYouTuber「はなおでんがん」のはなおが、山登りチャンネル「はなおの地球登り」を開設を報告した。コンビの解散発表時には今後について「地球と遊びます」と話していたはなおは、なぜ登山チャンネルを開設したのか。今回は、はなおの新たなチャンネル開設経緯から、人気YouTuberの第二の人生を考えてみたい。

はなお、登山チャンネルやります!!!

 はなおはかつて、コンビYouTuber・はなおでんがんとして活動。理系大学出身という学歴を活かした「文系でも楽しめる理系動画」などで人気を集め、チャンネル登録者数170万人以上という人気を誇っていた。そのような最中、2022年12月1日に投稿した動画で突如解散を発表。はなおの「やり切った」という思いや、ジャンルに特化したコンテンツを作成するためのネタが尽きてしまったことを理由に、今年3月に活動8年にして解散していた。

 はなおは解散を発表した動画で、今後については「地球と遊ぶ」「一から自分のキャリアを積み上げていく」と発言しており、その後については明言していなかった。解散後は投稿頻度は少ないものの、個人チャンネルで活動を継続していた。

無職になって2ヶ月。元YouTuberのモーニングルーティン

 動きがあったのは今月6日に個人チャンネル「はなおのすみっこ.」で投稿された1本の動画。この動画ではなおは、近況報告とともに「地球と遊ぶと宣言した以上は、登山YouTuberになりたい」と、登山チャンネルの開設を発表。第二のYouTuber人生を歩みはじめたようだ。

 今月14日には、新たに開設したチャンネル「はなおの地球登り」に投稿した動画で、登山チャンネルの開設を改めて報告。自身を「前職YouTuber」と紹介すると、解散発表時の「地球と遊ぶ」発言を「若気のイキリ」としたはなおは、登山チャンネルを開設した経緯について、次のように言及している。

 「自然が大好き」「山に救われたから」というはなおは、3年ほど前に精神的に苦しい時期があったことを告白。「誰からも目を向けられずに、平穏にただ過ごしたい」と思っていた時期に、地元の比良山を訪れたことで、どんな自分でも受け入れてくれる山の懐の深さに感激したそうだ。

 比良山での体験から、「自然に片思い」し、「日本の険しい山に登ってみたい」という思いが湧きあがったはなおは、登山に必要な道具を揃えはじめたとのこと。昨年10月には、妻とともに日本第3位の高峰とされる奥穂高岳の登頂に成功したと述べている。山や登山については、「技術も知識もまだまだ」と話しているはなおだが、チャンネルの意義については「自然に興味をもってくれる人を増やしたい」と説明。「地球の綺麗なものを後世まで残したい」と、今後の活動に意欲を示している。

 この動画で「地球と遊ぶ」発言の伏線が回収されたわけだが、教育系から登山系へと大きくジャンルを変更したはなおの今後はどうなのか。

 YouTuber歴8年でも、登山YouTuberとしては初心者のはなおだが、チャンネル開設から1か月少しにも関わらず、登録者数は1.46万人と出だしは好調の模様(6月22日時点)。はなおによると、動画が1本も投稿されていない状態でも、すでに9200人ほどのチャンネル登録者がいたといい、はなおの新たなチャレンジを待ち望んでいた視聴者が多かったことがわかる。

 かつて教育系で人気を誇ったYouTuberが、登山系へジャンルを変更するという前例のないキャリアチェンジだが、賢さから生まれるユニークなワードチョイスや編集力が健在であることは、今回の動画で証明されている。さらに、動画では奥穂高岳の登山の様子を写真付きで書き記した日誌も披露しており、ワードチョイスや文才、日誌の存在を踏まえると、登山日誌の出版なども考えられる。これまでの人気と実力も十分なはなおの第二のYouTuber人生は、安泰そのものといえそうだ。

古参YouTuberたちが続々と活動終了や解散を発表 YouTuberにとっての「幸せな幕引き」を考える

11月5週目〜12月1週目にかけて、はなおでんがんとヴァンゆんがコンビでの活動を終了することを動画で発表し、大きな注目を集めた。…

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