どこでもPCゲームが楽しめる最高の万能感! ASUSのハンドヘルド型ゲーム機『ROG Ally』を徹底レビュー

背徳感すらある、場所を問わないPCゲーム体験

 では、本機のもっとも美味しい部分である「場所を問わずPCゲームが楽しめる」体験について語っていこう。結論を言うと、この体験は本当に贅沢で素晴らしいものだ。ニヤニヤが止まらない。

 こうして家で寝転びながら、PCゲームができてしまう。一見すると大したことないように見えるかもしれないが、こんな環境は本来ありえないことなのだ。少し脱線するが解説させてもらいたい。

 PCでゲームをする場合、もっとも省スペースな環境はノートパソコンだ。この場合、どんなにコンパクトでも13インチか、UMPC系なら8インチ程度のサイズ感となる。だが、小さいPCはスペックも貧弱になりがちで、プレイしたいゲームがサクサク動くかどうかの保証がない。かといってスペックを突き詰めると「デスクトップでいいのでは?」というオチも見えてくる。

 しかもPCゲームの場合、プレイするゲームの種類に応じて必要スペックが変わってくる。ここが厄介な点でもある。『ホグワーツ・レガシー』を遊びたいなら最新のグラフィック性能が求められるが、『UNDERTALE』であればそこまでのスペックは求められない。自分がどんなゲームを遊びたいのか、そのためにはどんなスペックが必要なのか。PCでゲームをプレイするには、このあたりも重要だ。

 長々と話したが、『ROG Ally』はどこが画期的なのか。ずばり、コンパクトなのにスペックが高くて、重いゲームも動かせる。これに尽きる。

 コンパクトだから、こうしてカフェに持ち込んでゲームを楽しむことも。数年前であればカフェでPCゲームを楽しむなら、もっともミニマムな選択肢は小型ゲーミングノードだっただろう。ちなみにこの写真では『エースコンバット7』をプレイしている。全くカクつく様子はない。

 ノートPCすら不要でPCゲームが楽しめる。この手軽さは、本当にスゴい。「Nintendo Switchみたいなものでは?」と思われるかもしれないが、むしろスイッチと比肩できるほどのサイズ感でPCゲームをプレイできてしまう事実がスゴいのだ。良い時代になったなぁ…。

 気になるスペック的な満足度についてだが、『ファイナルファンタジー14』のベンチマークと、『3DMark Time Spy benchmark』のスコアは以下のようになった。

 バッテリー駆動状態で、通常使用となるパフォーマンスモードでの計測結果だ。高画質デスクトップPC基準で「やや快適」まで出せている。HD画質にすれば快適度やサクサク感は大きく向上するだろう。

 グラフィック性能の指標となる『3DMark Time Spy benchmark』のスコアは上記のようになった。こちらもバッテリー駆動&パフォーマンスモードでの計測だ。最新ゲーミングノートのエントリークラスに近い数字だが、そもそもノートPCよりはるかに小さい筐体でこの数字は頑張っている。

 電源供給&ターボモードで計測すると、1割ほど性能が向上した。わずかな差だが、プレイしてるゲームが少しカクつくと感じたときにはモードを変更するくらいで良いだろう。パフォーマンスモードでも十分な性能が発揮できていると考えられる(ターボモードはバッテリー消費も激しいので、基本は避けたい)。

 最後に、デバイスがVRに適合するかをテストする『SteamVR Performance Test』のスコアも掲載しよう。やはりGPUが物足りないようだが、むしろCPUに関してはハンドヘルド型なのに高い性能を誇っているといえる。

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