オンラインゲームに見る“メタバースの起源” 仮想空間の遍歴とこれから

メタバースの発展に必要なモノ・メタバースで流行りうるコンテンツとは?

 特に仮想空間における生活感の演出やユーザー間の交流は、メタバースの魅力でありその普及に欠かせない要素だ。先の頁で挙げた2つのゲームにはそうした要素が多分にあり、まさにメタバースの起源と呼べるものだろう。現代、メタバースにおいては何が発展すれば、それはより魅力的な仮想空間となるのだろうか?

 たとえばオンラインゲームにおいては、リアルタイムでのプレイヤー間のコミュニケーション、共同作業、競争、感情の共有などがゲームの“キモ”だ。それらは、プレイヤーがゲームの世界に深く没入するきっかけとなり、ゲームを通じて新しいコミュニティを形成する土壌を提供している。『World of Warcraft』や『Final Fantasy XIV』などのMMORPGでは、これらの要素が大いに活かされ、全世界的な人気を博している。

ファイナルファンタジーXIV - エターナルバンド

 これらの体験は、メタバースにおいても重要な役割を果たすだろう。さまざまなサービスにおいてユーザー間のコミュニケーションはもちろん、共同作業や感情の共有といった要素の拡充が日々続いている。また、アバターカスタマイズや家具設置、ミニゲームなどの要素も、ユーザーの創造性や遊び心を刺激し、メタバースに深く没頭する体験を提供するだろう。

 一方で、メタバースの発展には、オンラインゲームだけでなく、その他の分野からのアイデアやテクノロジーの取り入れも必要だ。VRやARといった最新の技術は、メタバースの没入感をさらに高め、ユーザーが現実世界と仮想世界の間を自由に行き来する新たな体験を生むはずだ。

 また、ユーザーが自らコンテンツを生み出し、それを共有したり販売したりすることにより、メタバース内での経済活動も活発化するはずだ。こうしたクリエイターエコノミーの創出において、メタバースは非常に重要な役割を担うだろう。特にVR・ARといった技術は通販と相性が良く、現実世界でモノを売買する際に仮想世界を活用するようなアプローチには期待したい。

 メタバースはただの仮想空間ではなく、現実世界と連携し、ユーザーの生活の一部となるはずだ。すでにそういう生活をしているユーザーも多いだろう。オンラインゲームの遍歴から学んだ教訓と、新たな技術やアイデアの融合により、メタバースが私たちの生活に新たな色彩を加えていくなか、さらなる魅力的なアイデアがメタバースを彩ることが楽しみだ。

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〈サムネイル:https://www.youtube.com/watch?v=V7esgZZMO4g〉

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