旅系カップルYouTuberの「日本一周車中泊旅」が完結 とったびがもたらした旅動画の功績を考える

 4月4週目、旅系カップルYouTuber・撮って 笑って 旅をして(通称:とったび)が、無事日本一周を達成した。コロナ禍を挟み、4年間という長期間に及んだ日本一周車中泊の旅は、視聴者にどのような影響をもたらしたのか。今回は、とったびの功績に迫ってみたい。

 とったびは、アウトドア派で写真家のこんちゃんとインドア派でカメラマンのあーちゃんによる旅系カップルYouTuber。DIYしたバンで車中泊をしながら日本一周を目指し、その様子を収めた動画を投稿しているYouTubeチャンネルの登録者数は、36.4万人を突破している(4月30日時点)。

 4月23日に公開された「4年前にはじめた車中泊旅。恋人と旅に出て婚約者と帰ってきました!!」は、4年間という長期にわたる日本一周旅行が完結を迎えた動画。ゴール地点である愛知県を目指しながら、京都にある寺院「単伝庵」と奈良公園に立ち寄り、最後の食事である三輪そうめんを楽しんでいる。

 旅中には3回のパンクや停電、あーちゃんの入院といったトラブルがあったほか、コロナ禍には2年間、旅を中断せざるを得ない状況にもなった。旅の中断中にはバンを10か月間かけてDIYし、昨年5月に旅を再開させると、12月に波照間島を訪れた際にはこんちゃんがプロポーズを成功させ、カップルだったふたりが婚約者となった。

 旅を振り返り、こんちゃんは「幸せのハードルめっちゃ下がった」と発言。水が出るだけで嬉しい、エアコンがあるだけでいいなど、一見すると当たり前のことが車中泊の旅ではとても身に染みた模様。「日本の文化に興味なかった」というあーちゃんはというと、日本のよさに気づけたと話し、「これからの人生が絶対に楽しくなる、豊かになる旅」と述べている。

 ちなみにあーちゃんは4年前の出発当時について、「めちゃくちゃ不安だった」と心境を告白。こんちゃんとYouTuberという仕事も共にしているため、「衝突することもあった」と振り返るなど、辛いこともあったという。ふたりの発言からもわかる通り、今回の旅はふたりにとって「幸せの価値観を変えた旅」となったようだが、そんな振り返りの最中、ふたりのさまざまな思いをのせたバンはいよいよゴールの愛知県に。大きな事故もなく、走行距離59,000キロ、600日に及ぶ車中泊を終えたのだった。

 今回の日本一週完結は、「撮って 笑って 旅をして」というチャンネル名の“笑”ではなく、感動の"涙”で終わった視聴者も多い。動画のコメント欄には感動したというコメントが立て続けに書き込まれているが、さらに目を引くには「日本にはまだまだ隠された魅力がたくさんある」「日本の良さに気付くことができた」「まだまだ日本の観光も捨てたもんじゃない」という声だ。実際に旅をしたあーちゃんだけでなく、視聴者もまた、日本の魅力を再発見できたことが読み取れる。

 旅やキャンプ動画は、視聴者がレジャーを楽しむ際の参考になるものとして受け入れられている側面がある。今回のとったびの日本一周も、ふたりの影響で旅好きになり、動画内で紹介されたスポットをめぐる聖地巡礼を楽しんでいるという視聴者もおり、動画が旅のアイディアになっていることがわかる。

 しかしながら、とったびの動画がなぜ日本の魅力を再発見するまでのコンテンツに至ったのか。その理由は、車中泊の旅だからこそ伝えられる四季折々の自然や町並み、各土地の文化がしっかりと収められており、視聴者にそのよさがしっかりと伝わったからだと考えられる。写真のプロであるふたりの手によって手がけられた動画は、日本人である視聴者や旅に消極的だった視聴者に、日本という国と旅の魅力を存分に伝えたという功績をもたらしたのではないだろうか。

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