『今日好き フーコック島編』2話ーー「好きになったら一途だから」と手を繋いでアプローチ 身長差カップル誕生か?

『今日好き フーコック島編』2話

『今日好き』に学ぶ恋愛とは “かわいい”には、“好き”と“愛おしい”が入っている?

 さて、ここからが今回の本題である。前段にて、たいしの“カッコよさ”に言及をしたのだが、大切なのはその前にあった“もうひとつの側面”。この後の夕食について、彼がせっかくならばふたりきりで楽しみたいという発言をした際、ねねから出た「かわいい」という一言。たいしはすぐさま「男子は“かわいい”はだめだよ」と複雑なキモチを言葉にしていたが、これは『今日好き』から離れた、視聴者のリアルな生活でも見られる場面なのではないか。

 書いていて悲しくなるのだが、筆者も年を重ねるごとに、“カッコよさ”よりも“かわいさ”の方が、実は恋人の前では需要があるのだと薄々気付き始めてきた。数年前に社会現象となったドラマでも「“かわいい”は最強」だと謳われていたのを覚えている。むしろ、カッコよさはそれに相反する“ダサさ”を見せると途端に価値を失うが、かわいいは何をしても正義なのである。

 もちろん、男子たるものなるべくならばカッコよくありたいのは事実。特に高校生など、女子を強く意識する年代では当然だろう。しかしながら、自身も好きになりかけている女子、しかも数時間前までほとんど初対面だったはずの相手から「かわいい」を引き出すのは至難の技に違いない。スタジオの“恋愛見届け人”を務める大友花恋も講評していた通り、「“かわいい”には、“好き”と“愛おしい”が入っている」のだ(大友が『今日好き』定番の頭上に赤文字で格言風テロップを出すのに成功したのは今回が初となる)。

 こうした男子と女子の間に明確ではなく、曖昧に重なる形で存在する感覚的な違いの部分。このあたりの高校生だとまだ言語化に至らないかもしれない感情に対して、恋愛見届け人が大人の視点からその心境を整理し、上手く当てはまる(あるいはその感情にフィットする)言葉を与えてくれることで、恋愛的な学びを得た視聴者もいることだろう。『今日好き』から恋を学ぶとは、そういうことだ。

 最近では“蛙化現象”という言葉が再びミーム化しており、恋愛的なホットトピックとなっている。2泊3日の限られた時間で相手に向き合う『今日好き』とは、なかなか関係性の薄い言葉であるものの、本稿の冒頭に記した通り、こうした誰もが抱える悩み、あるいは恋愛的な“共通項”について、この番組やそのほかの恋愛リアリティーショーから答えを探り当てられるかもしれない。そんなことを改めて考えさせられる今回のオンエアだった。

【場面写真】『今日好き フーコック島』2話ハイライト

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