『スター・ウォーズ ジェダイ:サバイバー』発売寸前! 前作『ジェダイ:フォールン・オーダー』を「スター・ウォーズ」として見ることで考える『ジェダイ:サバイバー』への期待

『スター・ウォーズ ジェダイ:サバイバー』

 2023年4月28日、『スター・ウォーズ ジェダイ:サバイバー(以下、ジェダイ:サバイバー)』が発売される。『ジェダイ:サバイバー』は、「スター・ウォーズ」の外伝として2019年に登場したゲーム『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー(以下、ジェダイ:フォールン・オーダー)』の続編にあたる作品だ。

 『ジェダイ:フォールン・オーダー』は、映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲』にて、ジェダイ抹殺指令「オーダー66」が発令された後の世界を舞台に、かつてジェダイであった若者、カル・ケスティスがジェダイ・オーダー(※1)再建のために、再びジェダイとして立ち上がる物語を描いた作品だ。かねてより続編が期待されていた中、ついに発売が決まり筆者は声を上げるほど喜んだ。

(※1「ジェダイ・オーダー」=「スター・ウォーズ」に登場する、フォースの使い手・ジェダイたちによる平和維持組織)

Star Wars Jedi: Fallen Order – Launch Trailer

 そんな「スター・ウォーズ」シリーズのファンである筆者が、『ジェダイ:フォールン・オーダー』を高く評価している理由として、同作はシリーズ作品として、映画や他の外伝作品ともひけを取らない完成度を誇っているという所にある。そこで本稿では、『ジェダイ:フォールン・オーダー』がなぜ「スター・ウォーズ」として完成度が高いのか、そしてこのたび発売となる新作『ジェダイ:サバイバー』では、「その完成度がさらに上がるのではないか?」という期待を含めた考察をしていきたい。

アクション、惑星探索、デザイン、ストーリー…丁寧に詰め込まれた「スター・ウォーズ」の魅力

 「スター・ウォーズ」としての『ジェダイ:フォールン・オーダー』が持つ魅力を語る前に、シリーズ全体の魅力を一度語りたいのだが、正直に言うといっぺんには語り切れないほど多くの魅力が存在する作品だ。広大な宇宙を舞台とした冒険譚や、ライトセーバーやフォースなどユニークなアイテムや能力を使ったアクション、ドロイドを始めとするメカデザインの秀逸さ、そしてジェダイとシスの因縁や、巨大な帝国の力とそれに抗うストーリーなど、ひとつ取り上げるだけでもかなりの時間を要してしまう。こうした多くの魅力や設定を内包しながらも、ひとつのスペース・オペラ超大作として綺麗に成り立っているのが「スター・ウォーズ」の凄さであり、最大の魅力だろう。

 『ジェダイ:フォールン・オーダー』は、その「スター・ウォーズ」の魅力を丁寧にゲームに落とし込んだ作品だ。ハイスピードかつ、スタイリッシュなアクションを魅力とする「タイタンフォール」シリーズ、『Apex Legends』を手掛けたRespown Entertainmentが制作しているだけあって、ライトセーバー、フォースを用いたアクションパートは直感的で楽しくプレイできるものになっている。それでいて、ゲームの難易度を上げれば「パリィ」や「ドッジ」などを使いこなすことが求められるという、硬派なアクションゲームとしても仕上がっている。

 また、デザイン面も素晴らしく「タイタンフォール」で描かれたような、テクノロジーと自然が調和した世界が見事に「スター・ウォーズ」ナイズされている。「惑星キャッシーク」で川の中に佇むAT-ATの姿や、古代文明が残る惑星ゼフォを巡回するストームトルーパーなど、本作でしか見られないような光景によって、惑星探索中は常にワクワクを与えてくれる。また、『マンダロリアン』などに登場する「BD-1」は愛嬌のあるデザインで、ゲームの主人公・カルとの小気味の良いやり取りはルークとR2D2の関係性を想起させてくれた。

「スター・ウォーズ」へのリスペクトを持ち、外伝作品の要素を意欲的に取り入れた「新たな歴史」

 そして、『ジェダイ:フォールン・オーダー』のストーリーはこれまで長い歴史を持つ「スター・ウォーズ」に対し、リスペクトを持ちながら、外伝作品の要素を柔軟に取り入れている。これによって同作は「スター・ウォーズ」作品として、「新たな歴史」の立ち位置を担っているのである。

 元々ジェダイのパダワン(見習い)として修行していたものの、ジェダイ抹殺指令「オーダー66」の発令後、長い期間ジェダイであることを隠していたカル。そんな彼が帝国軍に追われることから始まる冒険は、小さな世界しか知らなかったルークやアナキンの、ひとつの出来事をきっかけに始まる広い宇宙を知る冒険、というストーリーとも合致する。そして、いま一度ジェダイ・オーダーを再建し、強大な帝国やシスと戦うという物語は、「スター・ウォーズ」が持つ「反乱」というテーマに即したものとなっている。

 また、カルを追うことになる帝国軍所属のジェダイ狩り「尋問官」や、物語の中心的アイテムとして登場するジェダイの記録機器「ホロクロン」などの、外伝アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』に登場する要素が物語のキーとなっていること。それからアニメ『クローン・ウォーズ』、外伝映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場する反乱運動の中心的人物「ソウ・ゲレラ」が登場することなど、エピソード3から4までの作中年数20年にわたる歴史を語る外伝作品の要素を意欲的に取り入れており、それによって「スター・ウォーズ」作品としての完成度が高く仕上がっているのである。

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