日本全国を舞台に“鬼ごっこ”をする動画が話題 鉄道系YouTuberの“規格外”な取り組みが急上昇入りする理由

 3月4週目、鉄道系YouTuber西園寺の鬼ごっこ動画がYouTubeの急上昇にランクイン。あらゆる公共交通機関を使い、日本全国を飛び回る規格外の鬼ごっこ動画はなぜ人気を集めるのか。今回は、西園寺チャンネルの鬼ごっこ動画の魅力に迫ってみたい。

 西園寺は、関西を中心に鉄道や公共交通機関に関する動画を制作する現役の大学生YouTuber。公共交通機関に関するトリビアや「〜してみた」動画などを投稿、なかでも日本全国を舞台にした鬼ごっこ動画が人気で、たびたび急上昇入りを果たしている。

 今回急上昇入りしたのは、鬼ごっこ企画の第2話。今回の鬼ごっこのルールは、飛行機や新幹線といったすべての公共交通機関を使って、4日間という制限時間内にミッションをクリアするというもの。そのほかさまざまなルールが設けられているなか、日本全国が逃走範囲という類を見ないこの動画は、西園寺チャンネル史上過去最高の同接3万人を記録した。

 2話では「20時までに高さ300メートル以上の建物に登れ」というミッションのもと、逃走者チームの西園寺とZAKIが、第1話のミッションクリア地である秋田から新潟へ向かうところから始まる。高さ300メートル以上の建物は、大阪のあべのハルカスと東京タワー、東京スカイツリーの3つに絞られる。この鬼ごっこには、「30分に1回、お互いの位置情報を確認できる」というルールがあるのだが、西園寺によると、新潟から東京行きの飛行機はないため、新潟空港に向かうと大阪に向かっていることがバレてしまうというリスクがあるという。

 飛行機を使えないとなれば、行き先は必然的に東京。位置情報で鬼チームが新幹線で東京に向かっていることを確認した西園寺たちは、新潟駅で東京方面に向かう新幹線に乗車するも、今度は「逃走者の新幹線利用は連続利用は2時間まで。利用後は1時間その駅に留まる」というルールが立ちはだかることに。新潟駅から2時間以内で辿り着けるのは大宮駅。その大宮駅では西園寺チームが女装で鬼チームとの超接近戦を制するも、鬼チームは交通のスペシャリストにアドバイスを聞ける権利を使い、西園寺たちにあと一歩のところまで迫るというハラハラの展開が繰り広げられている。

 決戦は大宮駅から東京へともちこされることになったわけだが、大宮駅から東京に向かうには、東北新幹線と埼京線の2つの手段がある。西園寺いわく、東北新幹線と埼京線は赤羽駅まで並走しており、GPSでの位置情報ではどちらに乗っているか判別できないとのこと。先に大宮駅から新幹線で上野駅へ向かった鬼チームは、埼京線で新宿駅に到着した西園寺チームに困惑する様子が収められており、西園寺の知識が遺憾なく発揮されたことがわかるシーンになっている。

 目的地を東京タワーに決めた西園寺チームは新宿駅から東京駅に移動し、はとバスが運行している東京駅発のツアーバスに乗車。当日予約ができるうえ、東京タワーにも停車するこのバスは途中乗車ができないため、見つかってしまっても逃げ切れるのだ。無事に東京タワーに登った西園寺チームを、降り口専用のエレベーターホールで待ち構える鬼チーム。そんな鬼チームの待ち伏せを予測していた西園寺チームは、常時解放されている階段を使用、駐車場に停まっていたツアーバスに乗り込むことに成功し、見事ミッションをクリアしたのだった。

 鬼ごっこはこれまでも数多くのYouTuberたちがコンテンツにしてきたが、西園寺チャンネルの鬼ごっこ動画は西園寺の交通機関に関する圧倒的な知識と推理力が発揮されており、ほかの鬼ごっこ動画とは一線を画す。日本全国が舞台という規模もさることながら、鬼ごっこ特有のハラハラする展開とテレビ番組並のクオリティの高さにも目を見張るものがある。今回の動画は1本47分という長尺動画だが、長尺でも見どころをしっかりとおさえ、視聴者を飽きさせない編集も、西園寺チャンネルの鬼ごっこ動画が人気を集める理由になっているようだ。

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