登録者100万人越えでも活動休止や解散を決断 YouTuberの経験を活かせる「セカンドキャリア」を考える

 YouTuberのセカンドキャリアについての話題をしばしば耳にする。「オワコンになるのが怖い」、「いつか生活できなくなるのではないか」という深刻な悩みのほか、俳優業やアーティストなどの夢があるクリエイターはYouTuberとして活動を続けるべきか、夢に専念するべきか悩むタイミングが訪れるのかもしれない。今回は活動休止や解散を発表したYouTuberそれぞれの決断や、セカンドキャリアとして歩みやすい道について考えていく。

ずっとYouTuberを続けるのか? 「好きなことで、生きていく」のその先

 「好きなことで、生きていく」というCMのメッセージが多くの人に衝撃を与えたYouTube。YouTubeは自分の趣味や特技、友達との遊び、日常の生活など、多種多様な人の発信したいことであふれている。そんな中で、HIKAKINやはじめしゃちょーを筆頭としたチャンネル登録者数1000万人超、テレビにも多数出演するといった影響力の大きいYouTuberも生まれた。一方で「こんな時代だし、いつ生活ができなくなるかわからない」、「本当に目指すべき道はあっているのか」という不安な胸のうちを明かすYouTuberも多い。そこで近年目立ってきたのが、YouTuberを引退し、他のビジネスへと舵を切るセカンドキャリア組だ。

僕たちは、無期限の活動休止をします。

 たとえば、4人組で実験やドッキリ動画などを中心に投稿していたアバンディーズであるメンバー・そらは、グループの活動休止を機に所属事務所のUUUMを退所し、今年3月に新事務所と契約。今後は、今までYouTubeと平行して挑戦していた俳優業に力を入れていくようだ。

表舞台から裏方まで様々なセカンドキャリアがある

柿原朋哉(ぶんけい)の初小説『匿名』PV

 俳優・アーティスト・タレント業というYouTuberと地続きの職業を選ぶクリエイターがいる一方で、裏方や別の業界に携わるケースもある。元「さんこいち」のほりえりくは、インフルエンサーのプロデュース会社を、「踊ってみた」動画で人気を博した元パオパオチャンネルのぶんけいは、映像の企画・制作会社をそれぞれ経営している。YouTubeで一定の成果を出すことができたクリエイターは、登録者を獲得するための企画力や、適切なプロモーションを打つマーケティング能力も自然と身についている場合が多く、広告・PR会社やメディア系の企業で経験を活かせそうだ。

 また、知名度が高いことが武器となり、他の会社からの金銭的なサポートやタイアップの話を進めやすくなる。そういった意味で、YouTuberの次のキャリアとして自分の得意分野に関する事業を自ら立ち上げる、という選択は相性が良いと考えられる。

 もともと「好きなこと」について発信し、視聴者を獲得していったYouTuberたちはその分野に関しての知識や情熱があり、それを売り込むだけの表現力もある。商材のプロデュースやオンラインサロン運営などの複業をしているYouTuberが多いのもうなずける。今後、YouTubeというプラットフォームが好きで発信し続ける者もいれば、YouTubeを夢を叶えるひとつの方法と捉えて、別の形で活躍していく者も増えるだろう。

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