パナソニックの最新デジカメ『S5 II』をCP+でチェック。像面位相差AFの威力やいかに

 パナソニックからフルサイズミラーレス一眼カメラ『S5 II(LUMIX DC-S5M2)』が発売された。量販店価格ではボディ単体で27万5000円前後となっている。LUMIXシリーズ初のフルサイズセンサー対応カメラとして、2019年3月に『S1』および『S1R』が発売された。新たにLマウントを採用し、シグマとライカを含んだ三者によるLマウントアライアンスというアイディアは画期的な試みだった(のちにDJIもLマウントに参入)。

 2020年9月にはミドルレンジモデル『S5』が発表されたが、今回紹介する『S5 II』はその後継機にあたる。ミドルレンジながら高い性能を維持しつつ、LUMIXブランドとしては初めて像面位相差AFを採用。進化したAF性能に期待が高まるところだ。

 パシフィコ横浜にて開催されたカメラの祭典『CP+』にて、実機を触ることができたのでその所感を紹介しよう。

『S5』のサイズ感を維持しつつ、着実に進化

 パナソニックのブースでは『S5 II』が全面的にプッシュされていた。発売直後というだけあって参加者としても気になるモデルだろう。


 試遊台数も十分な数が用意されていた。

 まずは外観を見ていきたい。この写真ではレンズに『LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6』を装着している。全体的なサイズ感は『S5』に近いが、奥行きが約1mm、横幅が約2mm、高さが約5mmほど大きくなっている。グリップとファインダーが大型化しており、ファインダー側面には空冷用のファンが搭載されていることも影響している。動画を意識しての改善だろう。

 ボタン類の配置はほぼ同じ。右側手前のリアダイヤルが『S5』よりも外側に露出しており、親指で回しやすくなった。また、ジョイスティックの可動域も『S5』は4方向だったが『S5 II』は8方向に動く。バッテリーを除く本体重量は、S5よりも27g増えて657gとなっている。

 ホールドしてみるとこのようなバランス感に。グリップが深くなったおかげか、持っていて非常に安定感が良い。右手の腹と指先でカメラ本体をバランスできているおかげか、重量感もそれほど感じない。

 装着しているレンズ『LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6』が350gという圧倒的な軽さを実現しているため、余計に軽く感じるもあるだろう。今回の構成だと合計重量は約1Kgといったところ。

申し分ない描写力

 次は画質性能を見ていきたい。時間の都合で作例は2枚しか確保できなかったが、後述のAF性能と合わせて紹介する。

 『LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6』のテレ端で撮影した。手前の棚と奥の人物は緩やかにボケつつも、中央の花にはしっかりとピントがあっている。

 次は動画性能を見る前モデルの『S5』は静止画も動画もこなせるオールラウンダーだったが、『S5 II』は冷却機構を見直すことで動画性能をさらに強化。Cinema4K 4:2:2 10bitの無制限記録の実現や、動画RAW出力にも対応している(別売アップグレードソフトウェアキー「DMW-SFU2」の購入が必要)。テレ端での撮影でありながら手ブレ防止がしっかりと効いている。奥の造形物も柔らかくボケており、個人的にはかなり使いやすい撮り心地だった。オールラウンダーとしての役割は十分にこなせるだろう。

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