世界的ギタリストのMIYAVI「メタバース発展の一端を担いたい」。Oasis TOKYO × The Sandboxのクリエイターコンテストが開催

 メタバースゲームとして世界中から注目を集めている「The Sandbox」。

 ユーザー主導のゲームプラットフォームという点が大きな特徴であり、ボクセルモデルを制作するThe Sandbox独自のツール「VoxEdit」を提供している。

 3Dモデリングやプログラミングといった専門知識を必要とせず、誰でも簡単にアバターやアイテム、建物などの制作が可能になっているのだ。

 特別なスキルは不要ゆえに、初心者でも容易にボクセルアートの創作活動ができ、クリエイターエコノミー拡大にも大きく寄与しているといえよう。

 こうしたなか、コインチェック株式会社がThe Sandbox上に保有するLANDに建設中のメタバース都市「Oasis TOKYO」にて、クリエイターコンテストが開催された。

 Oasis TOKYO内に設ける特別なエリア「実験解放区」を舞台に、「自己を解放し、なりたい自分を表現しよう!」というテーマに沿った作品の募集がなされ、2022年12月23日から2023年2月1日までの申込期間には、数多くの応募が集まった。

 去る3月3日には、同コンテントの結果発表イベントが行われ、当日は審査員を務めた世界的ギタリストのMIYAVI氏、The Sandbox ボクセルアーティストのベン・マシュー(VEN Mashu)氏、コインチェック株式会社常務取締役の天羽健介氏が出席。

 受賞作品発表に次いで、3者を交えたトークセッションも行われ、メタバースの可能性や未来について探る会となった。

クリエイターコンテストを企画した背景とは?

 まず冒頭では、天羽氏がクリエイターコンテストの企画背景や、「実験解放区」の掲げるテーマについて説明した。

 Oasis TOKYOは“2035年の近未来都市”をコンセプトに、2022年1月末に始動したプロジェクトである。

 商店街や美術館、ライブハウスなど日本を連想させる街並みを特徴としたメタバース都市を、The Sandboxにおける24×24(576区画)の広大な土地に開発を進めており、さまざまなアーティストやクリエイター、ファン、ビジネスパーソンが集うコミュニティの形成を目指している。

 クリエイターコンテストは2020年夏ごろ、The Sandbox共同創設者のセバスチャン・ボルジェと天羽氏が「Oasis TOKYOを立ち上げ、コミュニティを作ることでクリエイターエコノミーを創出していきたい」と話していたのが端緒になっているという。

 加えて、「Web3の肝となるコミュニティビジネスを起点に、トークンホルダーと共創しながら、Oasis TOKYOを成長させたい」という思いもあり、こうした背景から今回のコンテスト開催につながったのだ。

 また、「実験解放区」というテーマはOasis TOKYOのクリエイティブディレクターを務める小橋賢児氏が命名。

 新しい社会を創り出す実験の場として、国籍や年齢、性別、肉体といった制約に縛られない、メタバースならではの世界で自分のアイデンティティと向き合う。そして、もう一つのなりたい姿を表現するという考えのもと、「自己の解放」をテーマにコンセプトを設計していったそうだ。

受賞作品にはクリエイターの「自己の解放」が色濃く反映

 そして、クリエイターコンテストの結果発表が行われた。

 入賞作品に選ばれた9つの作品を紹介し、次いで大賞の3作品を発表した。

 IMAGINATION賞に選出されたのはAir Lay氏の「巨鳥エクスプローラー」。

 不確実性の高い時代における不安定、矛盾。先行き不透明な世の中であっても、前へと羽ばたいていきたいという作者の「解放」が感じられたのが評価のポイントになった。

 ORIGINALITY賞に選ばれたのはいまから氏の「大悪魔系女子」。

 他人が評価を決める時代から、自分でセルフプロデュースしていく時代へ。

 いろんな可能性を信じ、ありのままを受け入れるという作者のクリエイティブに対する思いと、悪魔と女子という二面性を巧みに表現したオリジナリティに富んだ作風が受賞の決め手となった。

 CREATIVE賞に輝いたのはBüro氏の「花潤皆箱-Oasis-」。

 現実世界で不自由や困難を抱えていても、それがメタバースでは乗り越えることができる。

 こうした思いを花と笑顔に例え、みんなで夢を描いたりともに歩んだりするのを作品に昇華させていたのが評価につながった。

 受賞作品の発表後、審査員を務めた3人が次のように総評を寄せた。

「日々の日常で感じている思いを、『自己の解放』」というテーマと合致させ、作品として表現しているものが多かった。クオリティの高い作品がたくさんあった中、特に作者の思いが強かった作品を受賞対象としてピックアップした」(天羽)

「応募作品を見ていて迫力ある作品の数々に驚いた。動きの緻密さや立体感、個性豊かなクリエイティブ、思わず突っ込みたくなるようなテーマなど、『自分ならどういうのが作れるかな』と想像しながら楽しく見させてもらった」(MIYAVI)

「色とりどりの作品が多く、人以外の作品も目立った。非常に個性が溢れていたので、見ていて楽しかった」(VEN)

 今回、選出された12作品はOasis TOKYOの実験解放区に、のNPC(プレイヤーが操作しないキャラクター)アセットとして設置が予定されているという。

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