「お待たせ、待った?」でお馴染み にじさんじの雑談女王・アンジュ・カトリーナの“衝動”は止まらない
そんな彼女の暴走気味なトーク力は、ほかのゲーム配信・ほかメンバーとのコラボ配信・にじさんじの公式企画などでもしばしば露わになる。
ちょっとした小ネタから派生して言いがかりをつけてみたり、ゲームを一緒にプレイするなかでグイグイと話しかけていったりなど、「当たり屋」とも称される暴走の仕方は様々だが、「溢れ出る会話衝動」をノリとハイテンションへと変え、ベルモンド・バンデラス、葛葉、イブラヒム、甲斐田晴、歌衣メイカなど様々な男性タレントに次々と話しかけていく姿を知っているファンは多いだろう。
こうしてにじさんじの同僚らとの茶番劇やコント芸を披露していることで、一見お笑い力が高そうに見えるが、アンジュ曰く「他人に対して人見知りな部分がある」とのこと。一度も会話をしたことがないメンバーも多く、こうした「当たり屋」なコミュニケーションと同じくらい、かなり不器用な会話をしてしまう姿も見せてきた。
あまり会話したことない人の前だと緊張してしまうことは誰にでもあるが、アンジュの場合それがひと際強いようで、配信上で数年に渡って仲良く付き合っている相手であっても、オフラインコラボなどで実際に会うのはためらってしまう、ということが何度となく報告されている。
もっとも最近では、ニュイ・ソシエールと2022年末に初めて対面を果たした際のエピソードが例としてあげられよう。
同期のリゼや戌亥と同じように、友人としてのつながりが深く、それまで多くのコラボ配信や2人で歌ってみた動画などを制作していた仲だ。後輩のなかではもっとも付き合いが濃いであろうはずが、2020年以降数年に渡ってコロナ禍が続いたことも影響して、実際に顔を合わせる機会がなかったという。
アンジュは雑談配信のなかで「ソシエとリアルで会っても、なにを話していいか分かんないんよな……」と語るほどで、ニュイ・ソシエールもまた人見知りの気質だ。そんな2人が2022年秋ごろ、ついにオフラインで出会ったのだ。
2022年10月26日にアンジュとニュイがおこなったコラボ雑談配信では、「初めて2人が出会った」際のエピソードを話しているが、「あまりの気まずさに、あまり用がないのにスタッフに声をかけ続けた」「気遣いに次ぐ気遣いと空気読みによって食事を誘うことも難しかった」など、彼女ら2人がいかに人見知りで、似た者同士だったのかが伝わる話であった。
彼女が人見知りで距離を置きがちな性格になったのには、彼女のバイオグラフィが関係しているのであろう。
自身で「幼いころに中二病を患っていた」と自覚しているように、彼女はゲームやマンガからの影響を非常に受けやすいタイプだったようだ。学生時代や子供時代に夢小説を執筆したり、自分が登場するエロ小説のネタ帳を持ち歩いていたりと、一風変わった少女であったことを告白している。
一方で、その想像力は自身のトーク力に遺憾なく発揮されており、文才も『Minecraft』内で執筆した自作の夢小説などからうかがい知ることができる。ちなみに、彼女はその文才を活かして過去にファッション誌の編集者として仕事をしていた経験があるとも語っており、テキパキと仕事をこなしていく真面目な一面は、こういった社会経験によるところも大きそうだ。