俳優同士がキスシーンをきっかけに恋に落ちる理由とは? 「恋は100%しない」役者人生が覆った瞬間が描かれる『ドラ恋 in NY』

 また、本作ではこれまでの友人関係、役者仲間からキスシーンを通してその関係性に変化が見られたペアもあった。しょうだい(福山翔大)とみゆだ。既に何度もキスシーンの経験があるみゆは現場で“カット”の声がかかった瞬間、普段であればストンと現実に戻ってしまうとこぼしていた。今回『ドラ恋』への参加を決めたのも共同生活などこれまでとは異なる環境でお芝居をすることで、そのタガや制御が外れるのか?を検証したかったのだと言う。

 「吉本実憂と福山翔大でキスをしたらどうなるか?役の何かを借りるんじゃなくて、福岡から出てきて東京で酸いも甘いも揉まれて今ニューヨークにやってきている2人のこれまでの時間全てで撮影できたら、魔法がかかる気がする」という言葉は、そんな少し頭でっかちになってしまっているみゆに、しょうだいが掛けたもの。“考えるより感じろ”とはよく言ったものだが、これがなかなか歳を重ね様々な経験をすればするほどに難しいものだ。勝手に自分でその先の展開が見通せてしまう気がして一気に自制心が働き、踏み出すことを辞めてしまう。結論を急いでしまい、たゆたうような余白を自分に許してしまえなくなり、自ら感情をかき乱されるような状況に飛び込むことを避けるようになる。そんなみゆにとって「恋愛って考えるもんじゃねぇよな」と自然に背伸びすることなく言えるしょうだいは、自分を委ねてみようと思える相手だと再認識できたのかもしれない。この大人な2人も互いに好意を寄せているが、どんな形に落ち着くことを望むのか。ここにもドラマ以上のドラマが生まれそうだ。

 そして、切ない過去のトラウマを覗かせたのがはるか(立石晴香)だ。主演の座を射止めたひろと(髙橋大翔)のおかげで内向的な性格の彼女が徐々に無理せず自分の素を出せるようになっていくものの、どこかでストップがかかるようで「“好きだな”とか“素敵だな”と思う瞬間から胸が痛くなる」と何ともほろ苦い感情を吐露していた。かつて好きだった相手に騙された経験があるようで、また同じように傷つきたくないと先に予防線を張ってしまうのは、相手が自分より年下だからということも関係しているのかもしれない。自分の勝手な悩みを相手に背負わせてしまっては申し訳ないという思いが先に立ってしまうのだろうか。さて、残り3話ではるかのどんな心境の変化が見られるのか、彼女はその自身の殻を破れるのかそっと見守りたい。

『ドラ恋 in NEW YORK』9話ーー「人を受け入れるのがやっぱり怖い」キスシーンで変化するはるかの恋愛に対する気持ち

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