モータージャーナリストが解説する「シトロエン」「ポルシェ」「テスラ」の最新EVが持つ魅力

オフロード走行も視野にいれたスポーツEV

 ポルシェ・タイカン クロスツーリスモ(以下クロスツーリスモ)はブランド初のEV車、タイカンに追加されたモデル。ポルシェのCUV(Cross Utility Vehicle)と呼ばれるモデルの第1弾で、未舗装路でも最高のパフォーマンスを発揮できるよう設計されている。

スタイリングは伝統のもの

 タイカン同様、エクステリアデザインは同ブランドの主力モデルともいうべき911のテイスト、つまりデザインアイデンティティが随所に見られる。たとえばルーフからテールにかけて流れるようなこだわりのシルエット、「フライライン」だ。

インテリアはポルシェ流

 室内で目を引くのは多くのスクリーンで構成されたコクピットシステム。ドライバー前方の丸型メーターディスプレイは16.8インチ。ポルシェコミュニケーションマネジメント用の10.9インチ。これはSpotifyアカウントとポルシェIDをリンクさせるだけで設定完了の簡単操作を可能にしている。ほかにはエアコンの操作用パネルや、オプション設定になるが助手席前面にも用意されている。

違いは車高以外にも

 クロスツーリスモとタイカンとの違いは、20mm高いロードクリアランス。オフロードデザインパッケージを選択するとさらに10mmまで地上最低高が拡大可能。なお、アルミニウムルーフレールはオプションパーツ。室内は拡大されたラゲッジコンパートメントもそうだが、後席のヘッドスペースはタイカンよりも若干広い(高い)。

 参考までにクロスツーリスモのボディサイズは4974×1967×1409(mm)で、通常のタイカンとは全長や全高で若干異なる。また高められた車高は走るフィールドを広げ、未舗装路でもその魅力を味わえるようドライブモードには「グラベル」(オフロードデザインパッケージ選択時)が設定されるなど、ほかのモデルとは一線を画している。

グレード展開は3つ

 クロスツーリスモはどんな状況でも持てるパワーを路面に伝えるAWD方式をすべてのグレードに採用する。メカニズムはフロントとリアにモーターを搭載、それを800Vの高電圧システムで駆動するもの。4、4S、ターボのグレードによる差異のほとんどはモーターの出力といっても過言ではない。もっとも高性能な「ターボ」グレードはEVながらも625PSの最高出力を持ち、395~452km(WLTPモード)の航続距離を誇る。価格は1203万円の4、1534万円の4S、ターボは2056万円。

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