モータージャーナリストが解説する「シトロエン」「ポルシェ」「テスラ」の最新EVが持つ魅力
日本自動車輸入組合(JAIA)が開催した電動輸入車の試乗会。これからのモータリゼーションを左右するであろうEVについて、リアルサウンドテックでは元・いきものがかりのギタリスト、山下穂尊氏が最新EVの魅力について体験取材しているが、本稿ではモータージャーナリストの海野大介氏がその内容をより詳しく解説する。
元・いきものがかり山下穂尊、テスラの最新EVに驚き「運転席にはハンドルと液晶モニターしかない⁉️」
元・いきものがかりのギタリスト、山下穂尊(やましたほたか)氏の連載が開始。ライターとしてプロダクト系全般の気になるアイテムを、実…
フランスのシトロエンがリリースするハッチバックモデル
C4のBEV(バッテリー電気自動車)『Ë-C4』
エクステリアはSUVっぽいが、ルーフの曲線はクーペのようでもあり、部分部分をクローズアップするとアンバランス感がありながらもまとまっているのはさすがシトロエンといったところだ。
1970年代のGSがオマージュといわれている。
個性的だけど使い勝手のいいインテリア
小ぶりでシンプルなメーター、ダッシュボード中央には10インチのタッチスクリーンなどインテリアデザインもガソリン車と共通。ユニークなのはシフト周り。ツマミ形状なのだが、斜めに線を入れているデザインはシトロエンが歯車のメーカーであったオマージュにみえる。余談だがシトロエンの山2つのエンブレムはダブルヘリカルギア(山歯歯車)がモチーフで「ダブルシェブロン」と呼ばれる。またインパネでユニークなのは、助手席側にオプション設定されたタブレットホルダー。引き出して使えば文字どおりタブレットを置けるテーブルになるというもの。
『Ë-C4』はFWDモデルのみ
パワーユニットはフロントに136PS、260Nmを発揮するモーターを搭載し、前輪を駆動する。タイヤサイズは最新のクルマとしては細めな195/60R18。幅が狭いそれは接地面積が減るぶん、燃費にはいい影響が出るし、60サイズの肉厚なタイヤはその分乗り心地につながる。
乗り心地マニアらしい足回りとシート
また、メーカーが追求してきたのが”コンフォート(快適さ)”というだけあり、従来の「魔法の絨毯」調の乗り心地を最新の技術で再現しているところも注目。それはプログレッシブハイドローリッククッション(以下PHC)と呼ばれるサスペンションの構造だ。これは簡単に表現すればダンパーの中にもうひとつのダンパーを持つもの。ひとつ目のダンパーに一定以上の衝撃が入るともうひとつのダンパーが衝撃を吸収する仕掛けになっている。また、上級グレードに用意された肉厚のシート、 アドバンストコンフォートシートとの相乗効果は300km、400kmのドライブでも苦にならない。
気になる充電は付属のケーブルを使った200Vの3kW(約18時間で満充電)や200Vの6kW/3kW(約9時間で満充電)の普通充電に対応するほか、CHAdeMO規格の急速充電にも対応(約50分で80%充電)。個性豊かな『Ë-C4』は515万円から。