ティム・クック氏もウットリ! Apple Store表参道にフルート奏者・Cocomiがサプライズ登場。“空間オーディオとクラシック”についてトーク&演奏
2022年12月13日、Apple Store表参道でサプライズイベントが開催された。『Today at Apple Exclusive: Cocomiによるクラシックと空間オーディオの世界』と題した本イベント。登壇したのはクラシックのフルート奏者として活躍するCocomiだ。
この日、Cocomiはソロ、ピアノとのデュエットで3曲を生演奏した。つづいて行われたトークセッションではApple Musicのラジオ番組「J-Pop Now Radio」のDJの落合健太郎による司会のもと、フルートに対する向き合い方や、Apple Musicの「空間オーディオ」やApple製品について語った。
拍手と共に登場したCocomi、落合が会場の雰囲気について感想を求めると「思っていたよりも距離が近くて、びっくりしました(笑)」とはにかみながら答えた。
その後、Cocomiによる特別ライブが披露された。フルートソロを含む3曲が演奏され、1曲目と3曲目の伴奏はピアニスト・谷昂登が務めた。曲目は下記の通り。
クライスラー『愛の悲しみ』
J.S.バッハ『無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013 ~第4楽章:ブレー・アングレーズ』
プロコフィエフ『フルート・ソナタ ニ長調 作品94 ~第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ』
またこの日、Apple Store表参道にはApple CEOのティム・クック氏が訪れており、同氏もCocomiの演奏に耳を傾け、イベントを堪能したようだ。
演奏後に行われたトークセッション
3曲を披露したのち、再び登壇した落合とCocomiによるトークセッションが行われた。
落合:2022年も終わりが近づいてきましたが、どのようにお過ごしですか?
Cocomi:以前延期されてしまったリサイタルが12月26日にありまして、そこに向けた練習の日々を送っています。それと、ときどきゲームもしています(笑)。
落合:4月にはアルバム『de l'amour』がリリースされましたね。こちらのアルバムはCocomiさんにとってどのような作品ですか?
Cocomi:『de l'amour』は、思い入れのある曲を10曲集めて作ったアルバムなんです。短い曲が多いのですが、私にとってとても大切な曲を入れました。
落合:こうしたリサイタルやレコーディングなど、フルートを演奏する際はどんなことを考えて演奏されていますか?
Cocomi:アルバムのレコーディングをしたときの話になるのですが、実は今回ほとんど の曲をリモートでレコーディングしたんです。海外のアーティストさんが収録して下さった音源に合わせて自分の旋律を乗せるので、演奏する際はヘッドホンから流れる音にしっかりと耳を傾けることに命をかけていました(笑)。
落合:肺活量を鍛えるトレーニングなどはされているんでしょうか?
Cocomi:トレーニングというトレーニングはしていないんですが……基礎練習やエチュードなどを吹くときは、ゆっくりと演奏するようにしていますね。
今日の曲目でいえば、最後に演奏した「フルート・ソナタ」は肺活量が命、というような曲なので練習の時からすごく肺活量を使っていました。
それと、2曲目に演奏した「フルートのためのパルティータ」はソロなので『いかにして音を切らさないか』を意識しています。何度も演奏していくなかで、『ここなら息を吸ってもおかしくないかな?』といったブレスのタイミングを考えながら練習していました。
落合:空間オーディオでご自身の作品を聴いた感想はいかがでしたか?
Cocomi:最初のころは、Apple Musicに配信される自分の作品を聴くのが恥ずかしくて……(笑)。ソワソワしながら聴いていました。
実際に聴いてみると、良い意味で『全部バレちゃうな』と思いました(笑)。今日のライブで使ったフルートと、レコーディングの際に使っていたフルートは異なるのですが、そういった違いやブレスの使い方、細かな息遣いまで聴こえてくるんですよ。
落合:それはほかの色んなアーティストさんもおっしゃられていますね(笑)。ちなみに、Cocomiさんは普段Apple製品とはどのように触れ合っていますか?
Cocomi:楽譜を見ているのがiPadなんですよ。今年、紙の楽譜からiPadに変えたんですが、すごく楽になりました。
落合:たしかに! 今日もiPadの楽譜で演奏されていましたね。
Cocomi:はい。普段はピアノとフルートの楽譜がまとまったスコアを持ち歩いていたんですが、それだと楽譜がすごく分厚くなってしまって……。いつも学校に持って行くたびに肩が外れるんじゃないかと思っていたんです(笑)。それがiPadになったのですごく楽になりましたね。
落合:2022年が終わりますが、Cocomiさんは来年どのような一年にしたいですか?
Cocomi:そうですね……。私は毎年なにか目標を決めるということはしていないんですよ。けれど、いま自分にできることを200%発揮できるように集中してやる、ということは心がけています。今後も1歩1歩ゆっくり進んでいきたいと思っています。
■関連情報
Cocomi『de l'amour』(Apple Music)
https://music.apple.com/jp/album/de-lamour/1618026094
落合健太郎『J-Pop Now Radio』(Apple Music)
https://music.apple.com/jp/curator/j-pop-now-radio-with-kentaro-ochiai/1526877564