折りたたみPCの使い勝手は如何に?  ASUSの『Zenbook 17 Fold OLED』実直レビュー

最新の折りたたみPCの使い勝手はどう?

 ASUS『Zenbook 17 Fold OLED』のもう1つの使い方としては、タブレット状態で少しだけ折り曲げる“リーダーモード”がある。別に折り曲げなくてもいいのだが、こうすることで、手で抱えて利用しやすくなる。名前の通りに、電子書籍などの閲覧をしやすいスタイルだ。Windows 11では、Amazon Appストア経由でAndroid向けのアプリが利用でき、Kindleアプリも対応している。マンガなどを見開きで読めるのは使い勝手がとてもいい。

12.5インチを2画面分使えるリーダースタイル

 ただし、『ASUS Zenbook 17 Fold OLED』は単体で約1.53Kgと最近のノートPCとしてはかなり重い。1.6KgのMacBook Proを持ち歩く人もいることを考えるとモバイルの許容範囲だとは思うが、ソファーで膝の上に載せてノートPCスタイルで利用するならともかく、これを抱えて使うのは遠慮したいというのが筆者の本音だ。

 とはいえ、机上で使うのであれば思っていたよりも使い勝手は良さそうだ。普段はキーボードを重ねたノートPCスタイルで利用しつつ、資料を表示しながらの文章書きなどで広い画面が必要になった場合には、ディスプレイを広げてデスクトップスタイルにすれば、単純に作業領域が2倍になる。ノートPCのほかにモバイルモニターを持ち運ぶことを考えれば、十分に実用的と言えるだろう。PCバッグに入れるにはやや厚みがあるが、持ち運び用の専用ケースも付属しているので、通常のカバンでも持ち運びはしやすい。

持ち運び用に専用ケースが付属

 なお、手軽に持ち運べる大画面ということで、出先でのゲームプレイも捗りそうだと思ったのだが、Final Fantasy IVベンチマークでは「軽量品質 1280 x720 フルスクリーン」設定でも「1701(動作困難)」という結果になった。グラフィック処理が重いゲームには向かないようだ。

『Final Fantasy IV』ベンチマークは「軽量品質 1280 x720 フルスクリーン」設定でも「1701(動作困難)」という結果

 約60万円という価格を考えると、とても万人にお勧めできるPCとは言えず、現状では新しいもの好きなガジェッターやインフルエンサーが手に取るかどうか、というところだろう。おそらくASUS自体もそのことは分かっており、技術力のアピールや話題性といった点に重きを置いているのかもしれない。ともあれ、将来的にはこのスタイルのPCが増えていくのではないかと感じさせてくれる程度には、魅力的な製品だ。機会があれば、ぜひ手に取って未来を感じて欲しい。

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