折りたたみPCの使い勝手は如何に? ASUSの『Zenbook 17 Fold OLED』実直レビュー
ASUSは12月、17.3インチのディスプレイを折りたためるモバイルノートPC、ASUS 『Zenbook 17 Fold OLED (UX9702AA)』を国内発表した。市場想定価格は64万9800円。ディスプレイを折りたためるフォルダブル端末といえば、国内では、スマートフォンの『Galaxy Z Fold 4』やZ『Flip 3』が真っ先に思い浮かぶが、ノートPCでもLenovoが2020年に『ThinkPad X1 Fold』を発売。10月にも第2世代モデルが発表されている。
そんななかで登場した折りたたみPC『Zenbook 17 Fold OLED』だが、ディスプレイは第2世代の『ThinkPad X1 Fold』(16.3インチ)よりも一回り大きい17.3インチの有機ELディスプレイで、解像度は2560 x 1920ドット(アスペクト比4:3)。CPUには第12世代のCore i7-1250Uを搭載しており、メモリは16GB(LPDDR5-5200)、ストレージはPCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDとなっている。
17.3インチのまま開いて使用する場合には、タブレットPCとして利用可能。もちろんタッチ操作に対応しているが、残念ながらペンでの操作には対応していない。フォルダブルの都合上、ディスプレイ表面がやや柔らかいためだと思うが、同じフォルダブルでも『ThinkPad X1 Fold』は専用ペンが利用できるので、ここは残念なところだ。
本体背面にキックスタンドを備えているので、単体でも横向きで立てかけることが可能。このスタイルで別途Bluetoothキーボードを接続すれば、デスクトップPC風に利用できる。
キックスタンドは縦向きには利用できないが、付属のスタンドとASUS 『Zenbook 17 Fold OLED』の内装箱を利用すれば縦向きでも設置できる。ただ、これを利用するとASUS 『Zenbook 17 Fold OLED』のコンパクトさが失われてしまうので微妙なところだ。別途、縦向きで使用したいのであれば、別途タブレット用のスタンドなどを用意したほうがいいかもしれない。
縦向きで使いたい場合には、ノートPCのように折り曲げて使う拡張スタイルのほうが便利だ。Windows Helloでの顔認証にも対応したカメラは単辺側に搭載されているので、この向きがメインの利用方法として想定されているのだろう。1枚の大きなディスプレイとして利用できるほか、必要に応じてタッチキーボードを表示させればノートPCのように利用できる。ただし、タッチキーボードでのタイピングは快適というわけではないので、文字入力が多い人には不向きだろう。
キーボードを頻繁に利用するのであれば、付属のBluetoothキーボードを利用するのがお勧めだ。このスタイルであれば、大画面を活かしつつ、文字入力も快適に行える。
また、付属のBluetoothキーボードは、ディスプレイの上に重ねることができる。磁力で吸着するので、簡単に外れてしまうこともない。また、キーボードを重ねると、画面は自動的に半分のサイズ(12.5インチ)に縮小される。このスタイルの使い勝手は通常のノートPCと変わらない。おそらく、ASUS 『Zenbook 17 Fold OLED』をもっとも快適に使えるスタイルだろう。
なお、付属のキーボードはUS配列のみとなる。適度なストロークもあり、タイピング感はそれなりだ。なお、Bluetooth接続なので、本体とは別に充電する必要がある。
キーボードは、本体に載せたままでもディスプレイを閉じることができる。ASUS『Zenbook 17 Fold OLED』をそのまま閉じると、大きな隙間が空くのだが、キーボードを挟むことでむしろ隙間が少なくなる。大きな異物の侵入を防ぐという意味でも、キーボードは挟んでおいたほうが良さそうだ。