17~18世紀のものと思われる南京錠を海外YouTuberがレストア 卓越した技術の連続で視聴者を楽しませる

海外のレストア系チャンネル「ReXtorer」(チャンネル登録者数2.48万人)が、17~18世紀のものと思われる南京錠をレストアする動画を投稿した。該当の動画は、2022年11月24日公開の「Very Rusty Antique Lock Restoration. Padlock of the 17th-18th century」だ。

Very Rusty Antique Lock Restoration. Padlock of the 17th-18th century

 投稿主によると、今から約300年以上前に使用されていたと思われる南京錠を、森の中で発見したという。鍵付きで発見できたのは幸運だったのだそう。南京錠の表面は茶色でひどく錆び付いており、現物がどのようなものか想像できないため、いっそうレストア完了後への興味がわく。

 まずは工具やブラシを使って、表面にこびりついたサビを丁寧に削ぎ落としていく。ただし、手作業で南京錠の表面のサビを完全に落とすのは難しいので、次に電気分解によってサビを取り除く。具体的には、錆びた南京錠を針金でくくりつけ、食塩水に浸しながら、電圧12V、電流5Aで3時間電流を流し続ける(食塩水を使うのは電気を通しやすいため)。そうすることで、見事南京錠の茶色いサビは落ちていった。ただ、まだ少し表面が黒く汚いので、研磨したり、ブラシで擦ったりすることで、元のシルバー色が見えてきている。

 驚くことに、南京錠から鍵を抜くと、ネジのようならせんの形状となっていた。鍵も南京錠本体と同様、工具を使って手作業でサビを落としたり、研磨したりすることで、サビを落としていく。

 サビを落としたあとに使用するのは、ラストコンバーター(Rust Converter)と呼ばれる液体。ラストコンバーターを南京錠に浸すことで、赤錆を黒錆に変え、腐食を防ぐ効果がある。ラストコンバーターに浸したあと12時間放置したあと、「ディグリーザー」と呼ばれる化学溶液で油汚れを落としたり、表面に酸化物被膜を形成して錆びた表面に着色する「ブルーイング」という処理をしたりする。そして、ようやくレストアは完了。

 さすがに約300年以上の前の南京錠とあって、表面には傷もあり、レストア完了後も古く見える。一方で、表面についた錆は綺麗に落ちきっており、現物が見えたのは非常におもしろい。なお、古い南京錠のせいか、らせん状の鍵を差し込んでもロックはしないようであった。

 このように、素人では難しい(または危険を伴う)作業を使って行うのが海外レストア動画の魅力の1つであり、卓越した技術を駆使することで視聴者を楽しませる。海外レストア動画には投稿主がまったく喋らないものも多く、英語がわからなくても楽しめるものがほとんど。レストア動画が好きな方は、この機会にぜひ海外のYouTube動画にも目を向けてみてほしい。

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