連載:100万回再生される「笑い」の法則(第二回)
「バズる法則を知らない」のにYouTube・TikTokで大人気 ラバーガールに聞く、ショート動画やSNSとの“距離感”
「再生回数に一喜一憂しても意味がない」
ーーバズる動画とバズらない動画の違いはありますか?
飛永:結果的にですけど、僕の子どもが今6歳で、それぐらいの年齢の子でも笑う動画は伸びるなというのはよく思います。大水さんの顔の表情なのか、去り方なのかはわかっていないですし、出すまでは未知の領域ですが。
大水:個人的に、このボケはおもしろいなと思っても、全然伸びないこともあります。尺が短くてキレが良いのがいいと思いきや、突然伸びなくなることもありますから。
飛永:いまなら、ラバーガールの動画=短いというイメージがついているから、尺を伸ばしたら話題にはなると思うのですが、それは一時的なことだと思うんですよね。だから、良い意味でバズるかどうかは気にしすぎないようにしています。
ーーなるほど。再生回数に一喜一憂することはないのでしょうか?
飛永:そうですね。一喜一憂しても意味がないかなと。最終的に僕らを見てくれる人はネタを見たいんだということに気づけたので、定期的に劇場でYouTube用のネタを撮影するライブをやって、そこで撮影したものが伸びればいいかなって。思いついたらすぐにできるものは、さくっと簡単にやりつつ頑張りすぎないようにしたいです。
大水:それにYouTubeでやるコントって、再生数とウケが比例するとは限らないと思っています。僕ら2人とも野球好きだから、野球を題材にしたネタをやるのですが、そういうのって、ライブだと野球に興味がない人には伝わりづらいんです。でも、YouTubeなら野球好きな人がその動画だけを見ておもしろがってくれる可能性があるんです。
飛永:サムネとタイトルで見たいかどうかを判断してから見れる、苦手ならクリックしないということができるのは、YouTubeならではの良さだなと。
ーーTikTokやYouTubeにおける、今後の目標はありますか?
大水:TikTokに関してはいま、道端か公園で撮っているのですが、段々そのシチュエーションのネタが思いつかなくなってきたので、どこかのタイミングで、急にダンス動画に切り替わるかもしれません(笑)。そのときは、ネタが尽きたんだなと思ってください。
飛永:シチュエーションを変えるのもありますが、個人的には1アイテム持たせたいですね。呂布カルマさんがラップバトルで急に木を持ち出したのを見て、いいなと思ったんです。それをツッコまれたときの返しも100点で。
大水:持つとしたら、なんだろうな〜? 全く意味のないものがいいんだろうね、ひょうたんとか。
飛永:そうそう! そういうやり方に憧れますね。
ーー登録者数とかではないんですね(笑)。
大水:そうですね。数字はそこまで気にしてないです。
飛永:100万フォロワー突破って言われても、もはやすごいのかわからないし。
大水:登録者数の多さよりも、最低限、自分たちがおもしろいと思うことをあげて、それで伸びたら、まあラッキーかなぐらいの気持ちでやってます。
ーー最後にSNSが普及した影響もあり、賞レースやテレビ出演以外のことを目標にしている芸人さんも多いように感じますが、おふたりはSNSの普及が芸人に与えた変化はあると思いますか?
大水:YouTubeやTikTokでやりたいネタをやったり、試したりできるのはいいですよね。
飛永:若手でも安定した収入を得られるというのはありがたいなって。僕らも個人の仕事が増えると、2人で会う機会が減るから収入が減るという謎現象が起こってますから(笑)。
ただ、そういうのを加味しても、僕はテレビでも頑張りたいですね。それは出たいと言うよりも、芸能人に会うと未だにちょっとテンションが上がるからなんですけど(笑)。あの感覚はSNSだけじゃ味わえないなと思います。テレビに行くための手段として、SNSでのバズを武器にしている方もいるような気がしています。
大水:それはわかるな〜! どっちがいいとかではもちろんないんですけど、普段ふたりでTikTokやYouTubeの撮影をしているから、ドラマやテレビの現場に行くとスタッフさんがたくさんいて、みんなで作ってる感じが楽しいなと改めて思いますもん。だから、バランスよくやっていきたいです。
飛永:そうね! いろいろやれるのが精神的にも良さそうですし。いまのペースで続けていきたいです。
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