TikTokなどのショート動画に適した芸人・芸風は存在する? マーケティングの専門家に聞く「気軽にコメントできるネタ」の重要性

専門家に聞くTikTokに適した芸人・芸風

 いま現在、芸人のねづっちがTikTokで大きな注目を集めており、フォロワーは約84万人を誇る人気TikTokerとなっている。ねづっちは以前からYouTubeで活動していたものの苦戦を強いられており、一時はネット上でその状況をネタにされるケースも少なくなかった。本人の絶え間ない努力は言うまでもないが、TikTokとの相性が良かったのか、プラットフォームを変えた現在は躍進を続けている。

@nezucchi_desu 一発屋というお題にねづっちは….??#ねづっち #なぞかけ #ととのいました #一発屋 #お笑い #ネタ ♬ オリジナル楽曲 – ねづっち【公式】

 また、最近TikTokで大きく支持を集めた芸人でいうと、ラバーガールも挙げられる。キングオブコント決勝に進出した経験を持つ実力派コント師として目の肥えたお笑いファンの評価は高いコンビだったが、最近はTikTokで度々バズり、若者を中心にその人気を確固たるものにしている。

 ところで、なぜねづっちやラバーガールはTikTokで人気を手に入れたのだろうか。『世界一やさしい TikTokマーケティングの教科書 1年生』の著者で、株式会社inglow代表取締役CEOの小里雄平氏に話を聞いた。

コメントが盛り上がりやすい

――まず、ねづっちとラバーガールがTikTokで人気を集めている共通点を教えてください。

小里:ネタの簡潔さ、長さがTikTokにフィットしています。また、どちらも “リアルかつマネしやすい”、“シリーズ化している”などが挙げられます。

――どういうことですか?

小里:ねづっちさんの場合、もともと舞台でやっていた即興ネタや10秒謎かけが、ただただ「面白い」だけではなく、「すごい」と称賛されています。さらには、気軽にマネできるネタでもあるため、拡散もされやすい。ネタを見た視聴者が自分なりの謎かけをコメントして、そのコメントに対してユーザー同士が盛り上がる風潮も生まれました。コメントが増えることはTikTokのアルゴリズム上、エンゲージメントが高まり、評価が高いコンテンツとなります。つまり、上位に表示されてユーザーの目に留まりやすくなるため、現在の人気につながっているのでしょう。

――たしかに、気軽にコメントしたくなりますね。

小里:はい。なにより、ネタがシリーズ化されていることから、初めてコンテンツを見た視聴者は続けて、ねづっちさんのコンテンツを見ることにつながります。その結果、どんどん「ねづっちさんの動画を見たい」という中毒性が起きやすいこともTiKTokにマッチしています。ほかにも謎かけの特性上、起承転結がハッキリしており、最後まで見たくなりやすいです。オチの後にバシッとコンテンツが終了するため、途中で離脱されることはありません。最後まで動画を見てもらえる“視聴完了率”の高さも、TikTokのアルゴリズムに影響するため、より多くの人に見てもらいやすくなります。

重要なのは「真似しやすさ」

――ラバーガールがバズった要因について教えてください。

小里: “街中ですれ違う”という日常にありそうなシチュエーションをベースにしたネタを多く発信していますが、この世界観がリアルさを求めるZ世代にフィットしました。ラバーガールさんもコメントのハードルが低く、「俺はこう考えた」「オチがハズれた」などの感想が多く、ユーザー同士のコメントも盛り上がっています。また、なにか特別な背景や衣装も必要ないため気軽にマネしやすい。実際に「#ラバーガールのマネしてみた」がバズっているのはこのためです。

――ユーザーを上手く巻き込めているのですね。

小里:また、数秒でしっかり笑えるネタのため、個人のスキマ時間の暇つぶしだけでなく、「保存」して友達に見せてシェアしたがるユーザーも多いです。この「保存」もエンゲージメント率を高め、コンテンツ評価を上げる要因になります。

――TikTokにおける理想的な戦い方をしていますね。

小里:ラバーガールさんはTikTokだけでなく、YouTubeとうまく使い分けられている点も素晴らしいです。TikTokやYouTubeのショートチャンネルは、日常を舞台にした誰でもマネしやすいショートネタ。YouTubeのオフィシャルチャンネルでは、ガッツリ舞台のネタを見せており、この辺りはSNSをうまく使い分けています。

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