『ポケモン スカーレット・バイオレット』先行レビュー。挑戦の多い意欲作だが、自由で“新しい”進化を感じる

 また、メインストーリー以外の部分の遊び心も充実していた。そのひとつが、ファンにはすっかり浸透した主人公のキャラメイク要素だ。『ポケモン SW・SH』同様、靴下、靴、手袋、髪型、帽子、メガネなど、プレイヤーのオリジナリティを見た目に反映できる箇所がさまざまあり、たくさんの種類を前述した規模の大きな街で揃えられる。今回のプレビューでは、限られた時間で隅々まで体験するため、さらっと通り過ぎるだけとなってしまった。しかし、それだけでいつまでもプレイできるだけの、従来どおりのボリュームが「きせかえ」にはあった。

 『ポケモン S・V』では、開けた場所で手持ちのポケモンたちとの交流ができる「ピクニック」と呼ばれる要素もある。ピクニック中は自身の持つポケモンと会話したり、冒険で汚れたり、濡れてしまった彼らを洗ってあげたりといったアクションが可能。テーブルクロスなどのピクニック用品も替えられるため、好みや気分によってデザインを変更しながら、お気に入りのコーディネートを目指すといった楽しみ方もできる。

 シリーズファンのなかには、『ポケモン SW・SH』のワイルドエリアでカレーづくりに没頭してしまった人もいるだろう。もちろん今作にも似た要素がある。それがサンドウィッチづくりだ。プレイヤーは「具材」「味付け」「ピック」を選択し、コントローラー操作によってつかみ積み上げていくことで、サンドウィッチを完成させる。このサンドウィッチをポケモンたちと一緒に食べると、体力回復などのさまざまな恩恵を得ることが可能だ。こうした効果は街で売られている食べ物からも得られるが、自分だけのサンドウィッチを作るという体験には、現実の料理にも似た楽しさがある。たくさんのプレイヤーがカレーづくり同様、サンドウィッチづくりに没頭してしまうのではないだろうか。

 さらに『ポケモン S・V』では、冒険中に写真撮影もおこなえる。もちろんピクニック中にも可能であるため、お気に入りのポケモンたちと、お気に入りのピクニックセットを囲みながら、世界にひとつだけの写真を残すことも大きな遊び心となっている。

 単体では『ポケモン SW・SH』にあったものをリファイン・アップグレードしただけのように見える、きせかえやピクニック、サンドウィッチづくり、フォト機能の要素だが、これらは今作における大きな変更点のひとつ「かぎりなく時間や場所を選ばないオンラインマルチプレイ」と相性がいい。プレイヤーは自分だけの見た目で友達と世界中を冒険しながら、要所要所で写真を撮ることができ、ピクニック中にはそれぞれのお気に入りのポケモンやピクニック用品を持ち寄り、いっしょに遊んだことを記録する写真を残すこともできる。近年盛り上がりを見せる、記念写真の文化。これまでのシリーズ作品では実現しきれていなかった部分だけに、プレイヤーを喜ばせるもっとも重要な進化となるような印象を受けた。

 2022年屈指の注目作を発売にさきがけ体験できた今回のプレビュー。プレイを通じて感じたのは、『ポケモン S・V』が大きすぎる期待に応えて余りある進化を盛り込んだナンバリング最新作であること、そして従来のステレオタイプなRPGの枠を飛び越えた挑戦的なタイトルであることだ。

 発売まであとわずか。『ポケットモンスター』シリーズが満を持して放つ意欲作は、世界中で旋風を巻き起こしそうだ。

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