『ブラッドボーン』オリジナルと『PSX』を比較 名作アクションゲームにおけるデメイク版の解釈は?

 本作の戦闘も、基本的には『ブラッドボーン』を踏襲している。左手に近接武器、右手に銃器を持ち、“輸血液”や“水銀弾”、“火炎瓶”といったアイテムを使って敵と戦う。銃撃で体勢を崩した相手に近づき、大ダメージを与える“内臓攻撃”も可能だ。

 原作で特徴だった変形機構も再現されており、ノコギリ鉈、仕込み杖といった仕掛け武器は、変形前と後で2種類の攻撃をくり出せる。ただ、オリジナル版ではリアルタイムでできた変形だが、PSX版ではメニューから装備画面に飛んで切り替える必要がある。

 そのため、原作のように状況に応じて武器を迅速に変形させる戦法は使えない。とはいえ、変形前後の攻撃をデメイク版で再現しているだけでも十分だろう。仕込み杖などは変形して蛇腹になった形態をメニュー画面で眺められるので、仕掛け武器の機構を間近で見る貴重な機会だったりもする。

大橋の奥で戦えるボス、聖職者の獣(原作)。原作では頭にロックオンしている状態で火炎瓶を投げると相手が怯み、そのまま内臓攻撃につなげられた。
大橋の奥で戦えるボス、聖職者の獣(PSX)。PSX版で筆者が戦った際は頭にロックオンができなかったため、コンボを再現できるかは不明。

  細かい話だが、敵ごとのアイテムドロップ率もオリジナルに近い。銃を持った敵を倒せば高確率で水銀弾を落とすし、岩を持った巨漢からはほぼ確実に輸血液が手に入る。おかげで、ガスコイン神父と戦う場所につながるショートカット上で、巨漢を狩りまくって輸血液をかんたんに集められた。オリジナル版の知識がある人は、スムーズに攻略を進められるだろう。

輸血液集めにちょうどいい巨漢2体がいる通路。PSX版は屋内だが、原作では高架下だった。
ガスコイン神父の比較(原作)。
ガスコイン神父の比較(PSX)。吐いた息が白くなっているところまで同じだ

 アマチュアのお手製と甘く見ていたが、本作の完成度は高い。ローポリゴンだからこそ醸し出せる“先がわからない”という恐怖感、背景だったものを利用したマップ拡張など、デメイク版という立ち位置と『ブラッドボーン』という原作があるからこそできる要素が、丁寧に盛り込まれている。PSX版はいまも配信中なので、気になる人は一度遊んでみるといいかもしれない。

 ちなみに、本作は公式サイト“Download”の下にある項目からダウンロードできる。

 DUALSHOCK 4などのゲームパッドで遊ぶなら、Steamのライブラリにある“ゲームを追加”から“非Steamゲームを追加”を選択、その後“参照”からインストールしたPSX版を選べばいい。

2022年はゲームの大作ラッシュがヤバすぎる ゲーム機を揃えておかないと「嬉しい悲鳴」が「単なる悲鳴」になるかも

2022年はおもしろいゲームがたくさん発売されてヤバい状況になる。もちろん「遊びたい作品が山ほど出てきて嬉しい悲鳴をあげる」とい…

「サイレントヒル」4つの新作が意味するものとは 名作シリーズの“挑戦”について考える

2022年10月20日、YouTube上に設けられた「サイレントヒル」公式チャンネルで、同シリーズの最新情報を取り扱う番組“SI…

関連記事