Amazonが目指す“イヤホンがなくても没入感がある”音楽体験とは 新製品『Echo Studio』『Fire TV Cube』を用いたハンズオンセッション
いまやビッグ・テックの一角を担うAmazon。
プラットフォーム事業やクラウド事業などを筆頭に、さまざまなビジネスを世界中で展開している。
こうしたなか、Alexaを搭載したスマートスピーカー『Echo』シリーズや『Fire TV』といったデバイス事業も、同社を支える重要なビジネスのひとつと言えるだろう。
Amazonではこのほど、9月29日から新たな空間オーディオ処理技術を搭載した『Echo Studio』、新世代モデルの『Fire TV Cube』、Fire TVシリーズ用の『Alexa対応音声認識リモコン Pro』を国内で販売開始。
これらの製品におけるメディア向け説明会&体験会が、10月25日に渋谷に構えるAmazon Music Studio Tokyoで開催された。
担当者によるプレゼンテーションやハンズオンセッションなどが行われ、Amazonデバイスの世界観に触れる会となった。
空間オーディオ処理技術で没入感のあるサウンドを楽しめる
最初はEcho Studioにおける技術の向上や空間オーディオへの取り組みについて、アマゾンジャパン合同会社 Amazon Echo事業部・スマートホーム事業部・Ring事業部 事業部長の橘 宏至氏がスピーカーを務めた。
Echoシリーズの中でも最高の音質を提供するEcho Studio。
今回の新製品では、新色のグレーシャーホワイトが加わり、さらには大きな2つのアップデートによって、オーディオ体験がグレードアップされた。
まずひとつは空間オーディオ処理技術だ。音楽をより広域に臨場感あふれるような形で設計がなされ、映画のサウンドトラックやアーティストの楽曲など、没入感のあるサウンドを最大限楽しむことができる。
クロストークキャンセレーション、スピーカービームフォーミング、アップミキシングなど、最適な音響を実現するために必要な機能を組み合わせることで、ユーザーの視聴環境に合わせた空間オーディオ体験を創れるという。
もうひとつは周波数帯域の拡張である。
Echo Studioには1台に5つのスピーカーが搭載されており、新しい周波数帯域の拡張技術を用いることで、それぞれのスピーカーで処理可能な周波数が拡張され、より優れたパフォーマンス、中音域の明瞭度の向上、深い低音を実現する。
まさにユーザーの「イマーシブ・エクスペリエンス(没入体験)」を向上させる今回のアップデートとなったわけだが、今後はソフトウェアアップデートを行うことで、現行品の全てのEcho Studioでも空間オーディオ処理技術の利用が可能になるとのこと。
橘氏は「空間オーディオ処理技術を搭載したことで、音の奥行きや明瞭度、迫力のあるサウンドを提供できるようになった。音楽体験をさらに充実させ、アーティストの楽曲に没入できる感覚を味わっていただけたらと思う」
特別なヘッドホンやイヤホンがなくても上質な音楽体験が可能に
続いてはアマゾンジャパン合同会社 Amazon Music Japan ディレクター & ゼネラルマネージャー の島田 和大氏が登壇。
Amazon Musicによる空間オーディオへの取り組みについて発表を行った。
昨今、ミックス技術の成熟によって空間オーディオの評価が高まっているという。
空間オーディオが広まれば、ファンとアーティストの距離をさらに近づける新しいエンタメコンテンツとして注目されることだろう。
Amazon Music Unlimitedではさまざまな空間オーディオのプレイリストを配信している。
「空間オーディオ ジャズ」や「空間オーディオ ラテン」など、専門のキュレーションチームが選りすぐりの楽曲をジャンルごとに集めたプレイリストがいくつも用意されているという。
そして10月25日からは「空間オーディオ J-POP」のトラックリストに、Ado「うっせぇわ」やYOASOBI「怪物」、同「群青」、水曜日のカンパネラ「エジソン」などの人気楽曲が新たに追加された。
また、先述のEcho Studioでは、Amazon Musicが配信するDolby AtmosとSony 360 Reality Studioによる空間オーディオ楽曲の再生も可能だ。
島田氏は「デバイスの進化によって、特別なヘッドホンやイヤホンを使わなくても、上質な音楽体験を味わえるようになった。空間オーディオの世界をぜひ堪能いただきたい」