Doja Cat、The Kid LAROIら豪華アーティストを支えるJBLの音響技術を体感 『JBL FEST 2022』現地レポート(前編)

 現地時間9月27日から9月29日にかけて、世界最大級のオーディオブランドであるJBLが、豪華フェス『JBL FEST』を開催した。

 『JBL FEST』は、2017年にJBLが創業70周年を記念して初開催したことに端を発するイベント。それ以降、2019年まで毎年行われていたものの、2020年以降はコロナ禍の影響を受け、ほかの多くの音楽イベントと同じく開催を延期せざるを得ない状況に陥っていた。

 しかし、2022年は全世界的にコロナ禍が落ち着いてきたことを受けて3年ぶりに復活。アメリカが世界に誇る"エンタメの都"であるラスベガスに、JBLのアンバサダーを務める人気アーティストのBebe Rexha、Doja Cat、The Kid LAROI、Martin Garrix、Tigerlilyらが集結し、世界各国から招かれたゲストのみを対象に実施された。

 1946年の創業以来76年の歴史を持つJBLでは、時代毎にその時点でのテクノロジーの集大成とも言うべきフラッグシップモデルをはじめとするエポックメイキングな製品を開発し、発表して来た。これらのモデルは時代を超えて、多くのJBLファンに愛用され続けている一方で、その間の音楽シーンを牽引してきたアーティストたちの作品やライブパフォーマンスの魅力を伝えることに一役買ってきた。またそのことで今日では、一般の音楽ファンだけでなく、アーティストたちからも強い信頼を寄せられるブランドとして、世界中で広く知られている。

 本レポートでは、初日と最終日のイベントの様子や、メインイベントとなった『JBL LIVE!』でのDoja CatとThe Kid LAROIのライブについてご紹介したい。

 『JBL FEST』 2022では、イベント初日である現地時間9月27日に『JBL FEST』のホスト役を務めるBebe Rexhaによるウェルカムパーティーライブ『House of JBL』が、メイン会場となるヴァージン・ホテルズ・ラスベガスにて行われた。

 House of JBLでは、オープニングアクトとしてDJが会場内をアップリフティングなダンスミュージックで盛り上げたほか、ローカルアクトによるライブパフォーマンスが行われるなど、『JBL FEST』の幕開けを飾るに相応しいムードのなかスタート。

Denise Truscello / Getty Images for JBL

 イベントではハーマン・インターナショナルの社長兼CEOを務めるマイケル・マウザー氏が登壇したほか、元NFL選手やF1レーサー、俳優、アーティスト、インフルエンサーなどアメリカの各界の著名人も来場。エンタメの都であるラスベガスらしい一面も見られた。

 会場では、レトロなアーケードゲームが設置されたほか、2022年10月4日に発表されたばかりの“6万色の光と音楽を楽しめる”JBLの最新ポータブルBluetoothスピーカー『PULSE 5』が展示され、JBLらしいパワフルなサウンドと光がリンクし、空間をおしゃれに演出していた。

Denise Truscello / Getty Images for JBL

 また『JBL FEST』のメインイベント『JBL LIVE!』にも出演したDoja Catが2022年4月に開催された第64回グラミー賞授賞式で持参したことで注目を集めたことも記憶に新しい、彼女オリジナルのデコレーションを施したポータブルBluetoothスピーカー『JBL CLIP 4』のレプリカも展示され、イベントに招待されたゲストの目を喜ばせた。

Jun Fukunaga

 多くのゲストが心待ちにしていたBebe Rexhaのライブでは、『JBL FEST』には2019年以来の登場となる本人がステージに黒のラバースーツに身を包み、バックダンサーを引き連れ登場。G-Eazyとのコラボ曲「Me, Myself & I」や「I’m a Mess」といったこれまでの自身の人気曲やEminemに提供した「The Monster」のセルフカバーのほか、この日の時点でビルボードのグローバルチャートでも上位につけているDavid Guttaとのコラボ最新ヒット曲「I’m Good (Blue)」も披露するなど、ヒット曲満載のパフォーマンスで会場を大いに沸かせた。

Denise Truscello / Getty Images for JBL

 2日目には、現地アメリカを含む、世界中から招待された限定人数のみに向けられて行われた『JBL LIVE!』が行われた。舞台は『JBL FEST』のメイン会場となるヴァージン ホテルズ ラスベガスの敷地内にある開放感のある中庭に設けられており、この特設ステージでは、アーティストやライブの現場からも信頼される同社のサウンドシステムが設置され、野外にもかからず、迫力のある低音や抜けの良い中高音をしっかりと体感することができた。

 まずはThe Kid LAROIがラフなTシャツ姿でギター、ドラム、DJ兼サイドMCを引き連れたバンドセットでステージに登場。名刺替わりの1曲「Let Her Go」をオープニング曲として披露する。そこからは現在、19歳の若者らしくエネルギッシュなステージパフォーマンスでオーディエンスの心をがっちり鷲掴みに。自身の師匠にあたる故・Juice WRLDからバースを授かった彼とのコラボ曲「GO」やメロディックなピアノが印象的な「TRAGIC」でエモーショナルなムードを演出する場面も設けるなど、巧みに会場をコントロール。

Kevin Mazur / Getty Images for JBL

 また、ライブ中には自らドラムを叩くパフォーマンスを見せたり、自身の失恋を歌ったMachine Gun Kellyとのコラボ曲披露前には「失恋した経験がある人は?」と観客に質問。その後、失恋エピソードを披露した観客の1人に同曲を捧げるなど、観客とも距離が近く、寄り添うような親近感も印象的だった。そういったおよそ一般人には手の届かないスターでありながらもインタラクティブなやりとりを持ち込みながら、ステージ側に立つ人間だけでなく、観客席側にいる人間と一緒にライブを作り上げていく姿勢に、現在のポップカルチャーの担い手であるZ世代からの支持を得るThe Kid LAROIの本質を見た気がした。

 ライブ終盤では、MCで"親友の1人と一緒にやった曲"と紹介した後、自身が現在の地位を築く大きな原動力となったJustin Bieberとのコラボ曲で、昨年日本でも大ヒットした「Stay」を披露。同曲ではそのアナウンスの時点で会場の空気がこれまでと変わるほどの歓声があがり、そのパフォーマンス中もオーディエンスによる大合唱が見られるなど、アメリカにおいてもアンセム化していることがしっかりと伝わる光景を目の当たりにしたことを、ここに記しておきたい。最後は自身の代表曲のひとつでMiley Cyrusとのコラボ曲「WITHOUT YOU」を披露し、観客の熱狂が収まらぬまま、ここでライブは終了した。

Kevin Mazur / Getty Images for JBL

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