三浦透子が語る“声”で届ける物語の奥深さ 作品を「媒介」している感覚とは

オーディオブックで物語を受け取る選択肢が増える

ーー三浦さんは普段、オーディブル以外にも音声コンテンツを聴きますか?

三浦:ラジオをよく聴きます。

ーー音声コンテンツの魅力はどんなところにあると思いますか?

三浦:音声でしか伝えることができないという制約があるなかで、お話するのはとても難しいことだと思います。なんの気なしに耳で聴いてますが、ふとしたときにそのすごさを感じますね。ストレスなしで聴けることがどれほどのことかと思います。

 ラジオパーソナリティの方は、多様なジャンルの職業の方や、様々なバックグラウンドを持つゲストの方のお話を、しっかりとその人の個性や魅力が感じられてかつ、私たちにもわかる言葉で伝えてくださる。とても尊敬しています。

ーー三浦さんが実際にゲストで出られるときも?

三浦:たまにお邪魔させていただくのですが、やはり話しやすいなと感じます。私がうまく話せなくてもちゃんと聴く人に届く言葉に変換してくださるというか。だからとても勉強になるんです。自分もこんな風に、相手にちゃんと伝わる言葉で話せたら素敵だなって。

ーー「声」ひとつをとってもいろんな解釈を持っている三浦さんですが、今後音声コンテンツはどうなっていくと思いますか?

三浦:オーディブルのようなオーディオブックは、読むことが苦手な人に対してとても大きな存在だと思います。読むよりも聴く方が頭に入ってくる、自分に合うという人もいるはずです。オーディオブックを体験することで、もともと自分は聴く方が得意かもしれないという発見もあるかもしれません。

ーーたしかに。それこそ当たり前だと思っていた情報の受け取り方が人それぞれ変わっていきますね。

三浦:物語を受け取る側に様々な選択肢が与えられるのは素敵なことですよね。読むという選択肢以外に、聴くという選択肢があれば、そのぶん受けとることができる人が増える。そうやって広がっていった先に、また新たな音声の形が生まれるかもしれません。

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