電気で動く飛行機、初フライトに成功 2023年ローンチ予定で既に予約殺到

 電動航空機メーカーEviationは9月27日、米国ワシントン州で『Eviation Alice』の初飛行テストに成功した。グラントカウンティ国際空港から離陸し、約8分間の飛行で高度3,500フィート(約1,000m)、時速275kmに達した。

Eviation Alice First Flight

 『Eviation Alice』は、最大積載量1,100 kgで定員数9人。航続距離は460kmで最高スピードは時速481kmだ。

 2023年後半に正式にローンチされる予定だが、価格は290万ドル(約4億2000万円)前後で、すでに多くの予約があるという。日本が生んだベストセラーである『HondaJet』(定員8人)は従来の内燃エンジンを搭載している点が異なるが、予算規模はほぼ同等だ。

 Eviationはイスラエルで創業し、現在はEV(電気自動車)先進国でもあるアメリカに本社を置き、成長を加速させている。

 EVの普及は、環境問題の深刻化とテクノロジーの進化により近年、急速に進んでいる。電動バイクや電動キックボードなど、私たちの身近なありとあらゆる乗り物がバッテリーで走る風景が日常になってきた。空を舞う飛行機が電気化するのも必然といえるだろう。

 とりわけ、航空産業は化石燃料由来のCO2排出が、世界全体の排出量の2.4%(2018 年)を占めており環境に与える影響は大きい。

 バッテリーを動力にした航空機の概念は実のところ新しいものではなく、最も古い記録は1880年代までさかのぼる。しかし、当時のバッテリー技術では実用化は難しかった。

 ヘンリー・フォードやトーマス・エジソンもEVの製造を模索したが、やはり同様の理由で断念した。現在でもEV技術は、航続距離や充電時間などガソリンエンジン車に劣る部分は残っている。

 しかし、日進月歩のバッテリー技術を鑑みると、空の移動手段が電動航空機に置き換わるのは、不可避な変化だろう。

(画像=YouTubeより)

(source)
https://mezha.media/en/2022/09/29/the-electric-plane-eviation-alice-made-its-first-flight/
https://www.slashgear.com/1026084/incredible-electric-plane-crosses-a-major-milestone/
https://www.youtube.com/watch?v=FMT6koTSOY0
https://www.youtube.com/watch?v=_HzIvWcm0ig

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