『Discord』本社マネージャーが明かす“日本市場の重要性” 「日本のことをもっと学びたい」
9月15日から18日まで、ビジネスデーを含めると計4日にわたって開催された『東京ゲームショウ2022』(TGS2022)。期間中は605の企業や団体がブースを出展し、約13万8千人の来場者がゲームの祭典を楽しむべく現地で賑わった。
ゲームショウというだけあって、TGSは”メーカーが新作ゲームの発表を行う場”という印象が強いかもしれないが、それだけでなく、ゲームにまつわる企業が新製品や既存サービスのプロモーションを行う場でもある。PC機器・家具・飲料・教育機関……等々、実に様々な企業&団体がブースを出展している。
筆者が今回訪れたのは、2015年よりサービス稼働中の『Discord』の特設ブース。同サービスはいまやゲーマーにとって欠かせないコミュニケーションツールであり、アクティブユーザー数は全世界で1億5千万人にも上る。
また市場規模の観点からも影響力が強く、2020年度における同社の売上は1億3千万ドル(約187億円)。ゲームプレイ以外にも、昨今では企業がビジネス用途を想定して導入を進めるケースも見受けられる。日本を含む全世界で利用者の多いコミュニケーションツールであることは間違いないだろう。
そこで今回は、Discord社のイベントマーケティングマネージャーを務めるCory Cumming氏(コーリー・カミング)にインタビューを実施。TGSへのブース出展を決めた経緯をはじめ、同ブースのコンセプトや日本市場に対する印象などを聞くことができた。
TGSブース初出展を通して日本市場の重要性を体感
――Discord社が「TGS2022」へのブース出展を決定した経緯について聞かせてください。
コーリー・カミング氏(以下、コーリー):もともと「東京ゲームショウ2020」に出展するつもりだったのですが、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を鑑みた結果、残念ながら中止になってしまったんです。なのでTGSへのブース出展は本年度に決まったわけではなく、実は長い準備期間があったと言えます。日本は世界全体においても非常に重要な市場ですので、Discordとしても大変注意深く捉えています。またゲーム市場以外の動向も日本から学びたいということもあり、今回改めて出展させて頂きました。
――2年越しのTGS出展になりましたが、Discordブースのコンセプトは何でしょうか?
コーリー:Discordブースにはたくさんのイラストが描かれていますが、どれも一つとして同じものはありません。また、ブース出展を通して既存ユーザーの皆さまや新規ユーザーの方々を含め、実にたくさんの人たちがDiscordブースを訪れてくれました。このように、たくさんの人々が集まってコミュニケーションを取ることができるツールだということを知って頂きたいと考えております。同様にブース内の展示プログラムについても、多くの人々が楽しく過ごせるような明るいテイストを意識し、「記憶に残るようなもの」を目指して作り上げました。
――Discordブースでは、「インフルエンサーと来場者がDiscordを介して一緒にゲームプレイが楽しめる」試遊コーナーが設けられていました。こちらを採用した意図について聞かせてください。
コーリー:試遊コーナーでは『Pokémon UNITE』と『VALORANT』を用意させて頂きました。もちろん普通にプレイするのも十分に楽しめますが、Discordの機能、ひいては弊社のサービスを介したコミュニケーションがどれだけ素晴らしい体験かというのは、やはり誰かと一緒にプレイして頂くことで伝わるものがあると思います。
――Discordは既に世界中で1億人を超えるユーザーを抱えていますが、改めて日本のゲーム市場並びにコミュニティはどのように捉えていますか?
コーリー:Discordは2015年にアメリカのゲームユーザーのためにスタートしましたが、日本を含め世界中のユーザーの皆さんにも使って頂けるコミュニケーションツールです。世界的に見ても日本のゲーム市場は発達していますし、2年前の悲願を越えて今回TGSに出展できたことを嬉しく思います。弊社としましては、これからも日本市場に注力する所存です。