意外とわかっていないテクノロジー用語解説
最近よく聞く「VTuber」ってなに? バーチャルタレントの歴史を振り返る
最初にVTuberのようなスタイルでの配信を始めたのは「Ami Yamato」とされている(一部でYamamotoと言われているが、Yamatoが正解)。彼女はロンドン在住の日本人女性という設定で、2011年6月13日に最初の動画を配信している、英語圏のYouTuberだ。全身が3D CGで描かれており、背景はCGの場合と、実写に合成されている場合がある。動きは極めて滑らかだが、トレスではなく、3Dソフト上でモーションを与えられているようだ。彼女自身は「Virtual Vlogger(Vlogger=Video Bloggerの意味)」を名乗っていたが、この時点で基本的なVTuberのスタイル自体は確立されている。ちなみに2015年にはバービー人形のバービーがフルCGのVloggerとして登場しており、海外では高い人気を誇っている。
VTuberという言葉の登場は、日本で2016年に「キズナアイ」が最初に「Virtual Youtuber」を名乗ったのが始まりとされている(もっともキズナアイ自身はVTuberという略称を使わない)。
Googleトレンドによると「VTuber」という単語自体は、2011年4月ごろから検索に現れ始めているようだが、Googleでの検索が増えるのは2018年初頭から。前後して「バーチャルYouTuber」は2017年12月ごろから、「Virtual YouTuber」では2017年9月に一度少し検索された後、2017年12月に一気に検索数が増える。これはキズナアイに続く形で続々とバーチャルYouTuberが続々と登場し、「ホロライブ」や「にじさんじ」といった、現在も人気のバーチャルタレントプロジェクトが発足したことなどが大きな要因であり、この時期を「VTuber元年」と言ってもいいだろう。前述したキズナアイはさまざまなコンテンツとのコラボを通じて知名度を高め、現在のVTuber人気を確立させた立役者となった。二次創作的な人気に加え、こうしたコラボ路線が進んだことにより、VTuberがYouTuberのような「タレント」として成立するきっかけとなった。
ちなみにVloggerとVTuberの違いとしては、Vloggerが動画でBlog的に日常の報告などをすることが主であるのに対し、VTuberはなんらかの情報配信やパフォーマンスの配信を主にしていることが挙げられる。