ビジネスとクリエイティブを拡張する Adobe Expressの可能性

「これからの本好きを育てる書店」下北沢・夢眠書店のInstagram運用(前編)

ーー1日のスケジュールを教えてください。

夢眠:朝起きて軽く家事をしたあと、従業員のみやちゃんがオープン準備をしてくれているのでその後に買い出しのものを持ってお店に行きます。お姉ちゃんが軽食喫茶をやってくれて、みやちゃんがレジを見てくれているから、私は通販の作業や執筆をしながら、お客さんとお話ししたり、本の発注やレジ、洗い物やそのほかの業務をやってます。お店が終わったらスーパーに寄って、夕飯を作って、ダラダラして終わり。超普通ですね(笑)。

ーー通販もしているのですね。

夢眠:「本袋」というブラインドのセット販売をしています。ブラインド販売って「こんな気持ちのあなたに……」みたいな売り方が多いと思うんですけど、私はソムリエではないので、たとえば魚のレシピ本と魚の図鑑を入れて、「魚」と書いて販売したり。絵本や図鑑を多めにして、お母さんと子どもが1冊ずつ分けて読めそうなものを作っているんです。

 選書というほどではないですが、コロナ渦で家に届いたらどんなのが楽しいのかな、と思ったら私は家の中で一番楽しいのがご飯の時間だから、みんなで絵本を読んで、それが夕食に出てくる、みたいなイメージで作りました。子どもが魚の図鑑を読んだ日の夕飯に、魚料理が出てきたら楽しいかな、とか考えながら組み合わせています。

ーー通販ではほかにどんな本を扱っていますか?

夢眠:ありがたいことにサイン本が多いです。友達が本を書くことも多くて、劇作家の根本宗子ちゃんが初めての小説を書いたときにサイン本を置かせてもらったり、あとは仲良しのラッパー・DJみそしるとMCごはんちゃんや、tofubeatsくんとか……私が本屋を始めたタイミングで友達がどんどん本を出し始めたので、サイン本を頼んでいます。自分もちょっとミーハーなところがあってサイン本とかサイン会とか、好きなんですよね。

 絵本作家さんのイベントを開催したときには、絵本に出てくるご飯をお姉ちゃんに再現してもらって、作家さん自ら読み聞かせをしてくれて、サインもしてもらえたので、参加してくれたみなさんの満足度も高かったですね。

ーーそういったイベントの告知には、SNSを使っていますか?

夢眠:はい。イベントは人気で、来られない方が出てきてしまうので、たくさんサイン本を作っていただいて通販に出したりするんですけど、そういったお知らせはInstagramのストーリーズで更新することが多いです。普通の投稿ではイベントのお知らせなんかを投稿したり。「これ入荷しました」みたいな投稿はストーリーズに。

 あとは最近、常連さんが読書会の企画を持ちこんでくれて、「集まって無言で読書する」みたいな企画だったんですけれどすごく人気で、キャンセル待ちが10人以上出ちゃったんです。だからそのイベント中にインスタライブをやって、お客さんは映さないで雑音だけお届けしてみました。「書店にはいけなかったけど、この時間はインスタライブを流しながら読書をしよう」っていう習慣にしてもらうような試みです。

ーーリモート読書会、みたいなことですね。

夢眠:そのお知らせにストーリーズを使ったら反応が良くて、これは引き続きやっていこうと思っています。

ーー「Adobe Express」では豊富なテンプレートでInstagramなど、SNSの投稿を簡単に制作できます。実際に使っていただいて、いかがでしたか?

夢眠:「こんなうまい話があるわけがない」と思いました(笑)こういうテンプレートが並んでいるソフトって、あんまり使い勝手が良くないから結局「白紙」を選んでイチから自分で作ってしまうことも多かったんですけど、最初に触ったテンプレートがめっちゃ使える感じでひっくり返りました。

 ある日、好きな古着屋さんのストーリーズを見にいったら、スタイリッシュなショート動画で告知とかしてて、「これどうやってんの、委託してんのかな」って思ってたんですよ。「Adobe Express」を見て、「これで作れるじゃん!」って感激しました。

 それに私はこういうクリエイティブの作業をすべてiPadでやっているので、ストーリーズに限らず使えそうです。うちは本屋の中で飲食もやっているから、いろんな「メニュー」を作るんですが、それをこれまで全部手書きで描いたり、あとはデザイナーさんに文字データを渡して組んでもらっていたんです。でもこれなら私一人で全部組めますよね。テンプレートには「メニュー」っていう項目もあるし。

ーー夢眠さんは現在キャラクターアイドル「たぬきゅんフレンズ」のプロデュースもなさっていて、書店の仕事に限らずクリエイティブな業務が多そうです。そういったことにもiPadを使っているのでしょうか。

夢眠:そうなんです、元々はMac版のAdobe Photoshopを使っていたんですけど、このアプリ(Adobe Express)があればデザインもより簡単にできそうなので、まさにこれ!という感じでした。

 書店の店主としての活用に加えて、キャラクタープロデューサーとしてもクリエイティビティを発揮する夢眠氏ならではの活用法をお聞きしたインタビュー前編。後半では夢眠氏が「感動した」というブランド機能の使い心地について掘り下げていく。

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