普通の大学生と会社員がなぜ人気クリエイターに? ともかほちゃんねるに聞く「YouTube活動が実を結ぶまで」

「クリエイティブなことって、自分にはできないと思ってた」(ともや)

――『ともかほにっき』というコンセプトはどのようにして決めたのでしょうか?

かほ:もともと写真を撮ったり、思い出を残すことがすごく好きで。中学生のときとか、先生に許可をもらって学校にデジカメを持っていって、休み時間のみんなを撮っていたんです。日々の楽しいことを忘れちゃうのはもったいないなと思って。なので、ともやとのこともイラストで残していきたいと描き始めました。

――巡り巡って「好き」を仕事にすることができたという感じですね。先ほど、かほさんの就職についてのお話をお聞きしましたが、ともやさんはいかがでしたか?

ともや:僕もどちらかというとかほと同じような感覚で。いわゆる普通に、安定した生活を望んでいたタイプで。公務員試験を受けようとしていました。でも、振り返ってみたら、どこかにクリエイティブな人への憧れがあったんですよね。でも、自分にはできないと思い込んでたように思います。

――憧れてはいるけれど一歩踏み出せないという人は、きっと少なくないと思います。

かほ:そうですね。でも、本当にやってよかったなと思うので、もし興味がある人はまず踏み出してみてほしいですね。私もインスタをやってたころは本名も顔も出さないし、もし何にも繋がらならなかったら、そのときはアカウントを消せばいいやくらいの気持ちだったので。「やってみたいな」と思うより、まずはできることから初めてみちゃうのは大事だと思います。

――YouTubeを始めてからは顔を出すという大きな決断をされましたが、そのあたりの葛藤はありましたか?

かほ:そうですね。結構勇気がいる選択でした。顔を映さない形で撮影していたんですけど、このさきどういう動画にしていけばいいんだろうと想像できなくなっていって。

ともや:やっぱり感情が伝わりにくくて。表情が見えたほうが動画として面白くなるなと感じるようになったのが大きかったですね。

かほ:私の「楽しい記録を残したい」というポリシーみたいなところが揺らいじゃうのはちがうよねと話し合って、「顔を出していこう」と決めました。

「ケンカ動画もたまに見返します、おすすめに出てくるので」(ともや)

――『年下彼氏から見たリアルすぎるOL彼女の朝【モーニングルーティン】』の動画がバズり、現在も381万視聴を超える人気ぶりです。多くの人に注目されたときのお気持ちはいかがでしたか?

ともや:当時は実感がなかったというか、それがどれだけすごいことなのかもよくわかってなかったんですよね。でも、どんどん伸びていく数字に「見て見て!」と、かほを呼んで画面を眺めていたのを思い出します。

――リアルな同棲生活を届ける中で、女性の悩みと向き合うともやさんの姿も多くの視聴者に支持されていますね。

ともや:そうですね。突飛な発想とかできないタイプなので、日常を通じて気づいたことを動画にしています。

――個人的には生理体験の動画が面白かったです。あそこまでやるのか、と(笑)。

かほ:やるならとことんやってもらわないと! リアルさを追求して(笑)。コメント欄にもとことんやってくれてていい」みたいな声もあってよかったです。

ともや:でも、やってみてよかったです(笑)。

――『ともかほちゃんねる』は、キラキラしたところだけではなく酔っ払ったり体調が悪かったり、ケンカや倦怠期の話も日常的に出てきますよね。そのあと2人ですり合わせていく姿がとてもいいなと思っていて。「付き合っていく」には、そういう部分が一番大事じゃないですか。

かほ:そう言っていただけてうれしいです。「わかる!」とか「あるある!」と思ってもらいながら、少しでも誰かの役に立ちたいので。

――たとえば、ケンカの動画も見返すんですか?

かほ:するよね!

ともや:たまに見ますね。おすすめ動画にも出てくるので(笑)。

かほ:でも、もともとは全然ケンカしなかったんですよね。ケンカが増えたのは、YouTubeをやり始めてから。最初のころは動画のテロップの色とか位置とか、細かなところで意見がぶつかっていて。「こっちのほうがいいじゃん!」「ええー!?」みたいな感じで、どんどん言い合いになっていくみたいな。

ともや:あれはしんどかった。

――でも、その時々でしっかりすり合わせたのは素晴らしいですね。

かほ:お互い変に譲らないから、とことん話すしかなかったんですよね。感情的になりそうだったら、少し時間を置いてまた話して……。3年くらい経って、ようやくまとまってきました。

――いまでは登録者数23万人を超える人気チャンネルになりました。お2人の間で感じる変化はありますか?

かほ:ともやはリアクションがよくなったよね(笑)。

ともや:それはあるかも。でも、かほがふざけるようになったからだよ。会社で働いていたときよりも毎日楽しそうだし。だから僕もよく笑うようになったんじゃないかな。あと、かほはあきらめなくなったよね。なにか興味を持ったときに「やってみよう」っていう行動力がついた。

かほ:そうだね。それは共通してるかも。ともやも付き合った最初のころはデートでも「どこでもいいよ」「なんでもいいよ」みたいな感じだったけど、いまは「ここに行こう」とか「これをしよう」と提案してくれることが多くなった。

――それは女性としてはうれしいですよね。

かほ:そうなんです。当時は私が行きたいところがたくさんあって、「何してもかほといたら絶対楽しいから、どこでもいいよ!」って本心で言ってくれていて、どこへでも付き合ってくれたのはとてもありがたかったです。でも、「ともや自身がやりたいことってなんだろう?」と思うことがたまにあって。いまは自分からいろいろアイデアを出してくれるようになってうれしい。

――ともやさんの興味が広がったのは、動画を撮ることを考えるようになったからですか?

ともや:もちろんそういう視点ができたからというのもありますけど、自分からいろいろと動くのが楽しくなった感じですね。だから、もしかしたら前よりもわがままになっちゃったかもしれない。

かほ:欲が強くなった(笑)。

ともや:だから、前に旅行に行ってすごく楽しかった思い出とかあるんですけど「あれをなんで動画に撮っていないんだ」なんて思っちゃいますね。

かほ:たしかに! 私の卒業旅行として、2人でヨーロッパに結構長い間行ったんですよ。それが一番の思い出だよね。

ともや:いろいろあったのに、動画に残ってなくてすごく悔しい。

かほ:財布をスられちゃったりね(笑)。本当に楽しかったのに、細かいところがどんどん思い出せなくなっていて……だからこれからのことはささいなことも動画に残していきたいです。

関連記事