へきトラ劇場からへきほーが脱退 YouTuber歴10年目に下した決断と相方・相馬トランジスタとの絆
3人組YouTuberグループ・へきトラ劇場から、メンバーのへきほーが卒業を発表した。へきほーは2012年からYouTube活動を続けており、長く相方としてやってきた相馬トランジスタとも約10年ほどの付き合いがあった。
「今まで小指一本でしがみ付いてきた」
5月31日に投稿された動画内で卒業を発表。主にへきほーが心境を話す中で、メンバーがツッコミを入れる場面もあり、和やかなムードで発表された。
主な卒業理由としては「自分の気持ちを深く考える時間があり、その中で活動の方向性が合わなくなった」と言う。「そもそも無理をしながら動画を撮っていた」という自覚もあったようで、「それでメンバーやリスナーに迷惑をかけている自分も嫌である」とした。
へきほーは2年前の2020年に、持病である双極性障害を動画内で公表している。それによって、メンタルに波があり、上手く活動できない時期もあり、公表に至ったという。実際に過去には1カ月間、へきほーのみ活動を休止する時期があるなど、持病とも向き合いながらメンバーの理解を得た上で活動を続けてきた。
へきほーは2012年から最初は単独でYouTuber活動を行っており、今年でちょうど10年目であった。しかし、カメラに向かって「何か」をするというのが「そもそも得意ではない」ということに、10年目にしてようやく気が付いたという。おそらく「気が付いた」というよりも、それを「受け入れる」ことができたのではないか。へきほーの言葉を借りるなら、「今まで小指一本でしがみ付いてきた」状況だったと言い、「ようやくその小指を離せる段階に来た」ということではないだろうか。
相方・相馬トランジスタとの絆
メンバーは、報告を受けた最初は「びっくりした」と話したが、「ぶっちゃけ、分かっていた」部分もあったという。加え、「これまでの葛藤を解放できたのではないか」と今回の決断に「納得しかない」とメンバーの相馬トランジスタは付け加えた。
相馬トランジスタとは約10年ほどの関係性があり、へきほーと長く付き合ってきた相方とも言えるだろう。最初は、へきほーは「バカ侍」チャンネルとして、相馬は「ラフハウス劇場」チャンネルとして、それぞれでYouTube活動を行なっていた。その中で度々コラボするようになり、「1人でやりたい」と言うへきほーを相馬の方が口説き落としたという。そして、「ラフハウス劇場」にへきほーが加入する形で「へきトラハウス」に改名し、正式始動。その後は当時のメンバーであったカワグチジンの脱退を経て、2人で「へきちゃん☆トラちゃん」と改名。さらに、現在のメンバーであるカルビが加入し、現在の「へきトラ劇場」として活動していた。
そんな長い付き合いである相馬は、今回のことはむしろ、今まで自分から決断をすることがなかったへきほーの「大きな成長」であるとし、「素直にすごいな」と思ったという。本動画内でも最後に「へきほーの才能が好き」であるとし「自分では絶対に勝てない。そんなお前が好きで一緒にやってきた」と号泣する場面もあった。
今後もへきほーはYouTuber活動は続けていくとし、すでに個人チャンネル「HACK THE HEKIHooo」が始動。ここでは、得意な絵や書道などのアート活動を基軸に、たまにYouTuberぽい企画もしていくと、身構えない感じでの活動を予定している。「無理をせず、やりたいことや自分をもっと活かせる場所に進んでいく」と決意したへきほーを、相馬もカルビも爽やかに送り出した。
「へきトラ劇場」は、今後も相馬とカルビでこのチャンネルを続けていくとのことで、相馬に至っては「死ぬまでYouTubeを続けたい」との力強い宣言もあった。今回の件では、個人の人生がドキュメントのように反映されており、YouTubeというプラットフォームやYouTuberという職業が生まれてからの時間を意識せざるを得なかった。相思相愛である二人の今後のそれぞれの道を応援したいと思う。