悔しくて何度も挑んだ『海腹川背』 “激ムズ”ゆえの達成感と中毒性に魅了された話

 サブスクリプションサービス「Nintendo Switch Online」にて、5月27日より新たに3タイトルがソフトラインナップに加わった。

ファミリーコンピュータ & スーパーファミコン Nintendo Switch Online 追加タイトル [2022年5月27日]

 今回は、その中からスーパーファミコン用ソフト『海腹川背』をピックアップ。発売から27年経っても光り続けるゲーム性をはじめ、筆者の体験談を交えながら同作の魅力について言及する。

独特なアクション性を内包した『海腹川背』

 『海腹川背』が世に送り出されたのは1994年12月23日。ビデオゲーム市場ではプレイステーションやセガサターンといった(当時の)次世代コンシューマー機に注目が集まっていた頃だ。同作は完全新規タイトルとして、TNNが開発&リリース。以降は続編のプレイステーション用ソフト『海腹川背・旬』(1997年)を皮切りとしつつ、発売元を転々としながらも様々なプラットフォーム向けにシリーズソフトが作られ続けてきた。基本的にはシングルプレイ特化のアクションゲームだが、最新作『海腹川背 BaZooKa!』(2020年)では一人用モードに加え、最大4人対応の対戦モードも収録されている。

『海腹川背 BaZooKa!』

 同作の主人公は、各地を巡りながら(流し)板前稼業に精を出す女性「海腹川背」。プレイヤーは彼女を操作し、奇妙な魚類型モンスターを回避しながらステージ攻略にチャレンジ。プレイ状況に応じて分岐が異なるものの、最終ステージ内のゴールへ辿り着けばゲームクリアとなる。詳細なストーリーは特に設定されておらず、全編にわたってアクション部分(後述)に焦点が当てられているのが特徴だ。

 同作の最も象徴的な部分は、「ラバーリングアクション」と公式で謳われた独自の操作方法。伸縮自在のゴム紐にルアーを取り付けた専用ツールを使い、ステージ内の壁やオブジェクトに紐を引っ掛けながら移動する……という仕組みである。ロープや紐を使って足場間や高所を移動するといったアイディアは従来のゲーム作品(ヒットラーの復活 TOP SECRET等)にも取り入れられていたが、『海腹川背』のゴム紐は単純にオブジェクトへ引っ掛けてぶら下がるだけでなく、「弾性を伴って伸び縮みする」という点がユニークだった。このアクション性はシリーズを通してほぼ共通しており、長年受け継がれてきた『海腹川背』の伝統とも言えるだろう。

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