『Weekly Virtual News』(2022年5月16日号)

VTuber・ぜったい天使くるみちゃん帰還の衝撃ーーGWに起こった「黎明期」を振り返る動きと、新たな技術の萌芽

Breaking down language barriers with augmented reality | Google

 XRの領域では、新たな技術の萌芽が見られた。Googleは開発者向けイベント「Google I/O 2022」にて、リアルタイム翻訳を行うスマートグラスのコンセプトを映像で発表した。異なる言語の話者をつなぐのみならず、聴覚障害を抱えた人と世界をつなぐ手段としても提示されており、メガネそのままなデバイスの形状も相まって、社会から「言葉の壁」を取り去ろうという力強い意思が感じられる映像となっていた。「Google I/O 2022」ではこのほかにも、Google Mapsのデータを利用してAR用アンカーを作成できる「ARCore Geospatial API」の公開も発表され、ARへと大きな注力をする意思を見せた。

Project Cambria Preview - Mixed Reality with Presence Platform

 そして、Metaからは新型VRヘッドセット『Project Cambria』の技術デモが突如公開された。明らかとなったのは「カラーパススルー」の存在。ヘッドセットを装着したまま、外界をカラーで表示できる機能だ。そして、デモ映像ではパススルー表示された外界の一部がVRコンテンツで「上書き」されるシーンも見られ、その志向先がMR(複合現実)であることを伺わせる。『Project Cambria』は、2022年中に発売予定とのことだ。

 二社とも、いま目指している方向は少し異なるが、かつてはGoogleもVRに参入しており、歴史と照らし合わせるといまの動きもより立体的に捉えられる。これは、Metaも同様であり、そしてVTuberやソーシャルVRも同様だ。過去を紐解くことによって、現在はより鮮やかに、そして深く見えてくるだろう。

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