セレクトショップはどのようにYouTube&Instagramを活用すればいい? 神宮前「Moore Tokyo」と考える(前編)

セレクトショップのYouTube&インスタ活用法(前編)

 アドビの提供するサブスクリプション型クリエイティブツール「Adobe Express」はiOS・iPadOS/Android/WEBに対応しており、簡単な操作で誰でも手軽に高品質なコンテンツを作成できる。本連載ではこのツールで、各業界のクリエイティブにおける「課題」を解決していく。

 今回の舞台は東京・神宮前エリアのセレクトショップ「Moore Tokyo(以下、Moore)」。もともとは古着店の店長をしていた谷川直人氏が運営する小規模店舗で、アイテムの仕入れからオンラインショップ用の撮影まで、谷川氏の業務は多岐にわたる。お話を伺いながら、セレクトショップにおけるAdobe Expressの活用法を探ってみた。(編集部)

ーーMoore Tokyoはどんなお店ですか?

谷川:3年前の夏にオープンしたセレクトショップです。僕はもともと古着店の店長をやっていたんですが、「新品を取り扱いたい」という気持ちがずっとあって、会社に掛け合って新店としてオープンしたのがこの店舗です。今は95%がセレクト商品ですが、オープン当初は古着と新品を半分ずつ扱っていました。

 実店舗に加えてオンライン販売もやっています。また、YouTubeやInstagramなどのSNSも運用しています。ありがたいことにYouTubeの商品紹介動画が好評で、動画を見てくれた方がWEBショップで購入してくれる事例がとても多いですね。

ーーお店ではどんな服を扱っているんですか?

谷川:僕が自信をもってかっこいいと思えるような、いいものを作っているブランドさんの商品を取り扱っています。バイヤーとして興味を持ったブランドさんに声をかけて、商品の仕入れもします。

ーーブランドさんと直接やり取りをするんですね。製作者と話す機会などもあるのでしょうか。

谷川:もちろんです。展示会でデザイナーさんが目をキラキラさせながら服への思いを話してくれるのは、すごく嬉しいですね。聞いていて楽しいですし、お客さんにも話したくなります。仕入れと販売のどちらもやるメリットの1つです。同じデザイナーさんの作った服を何シーズンも見ていると、パターンや形にブランドの個性が現れるので、それも楽しいですよ。

ーーお客さんにはどんな方が多いですか?

谷川:20代前半の男性が圧倒的に多いですね。学生さんや、服に興味を持ち始めた人たちが好んでくれるようなブランドを置いているからかな。YouTubeをやっているのも大きいかもしれないです。ちょうど見てくれている層に合っているのかも。

ーー店舗のスタッフは何名ですか?

谷川:僕を含めて2人ですね。接客から商品の発送まで、自分たちでやっています。

ーー1日のスケジュールを簡単に教えてください。

谷川:まず開店前の掃除から始まり、開店すると最初にウェブショップをチェックして、注文が来ていたら梱包、発送します。もちろんお客さんが来たら接客もしますし、時期によっては商品がめちゃくちゃ届くので、SNS用にそれらの写真を撮って切り抜きをして。合間にYouTubeの撮影と編集をしてアップするなど、接客以外の業務が圧倒的に多いですね。

ーーWEBショップの物撮りはどうやっているんですか?

谷川:床にシートを敷いて、その上に商品を載せてデジカメで撮っています。そのあとコンピュータを使って、背景を切り抜いて投稿します。切り抜きは面倒ですが、商品自体を綺麗に見せるには一番いいですね。SNSを見ていてると、背景が白やグレー1色で統一されている方が綺麗に見えますから。あと、背景の「白」にも気を使っています。白と言ってもいろんな白があるので、切り抜いてない状態だと、色にムラがあるんですよ。画像が並んだときに色が少しづつ違うのがすごく嫌で。

Moore TokyoのWEBサイト。

 

ーーそういったオンラインの販路や施策もある中で、実店舗がある意義をどのように感じていますか?

谷川:今はSNSでさまざまな商品を検索したり、商品の情報を調べることができますが、画像だけだとわかりづらいこともあるし、やっぱり店頭で見たり着たりしたい方は多いです。ブランドさんの商品を実際に置かせてもらって、それをお客さんに直接見せられる場はすごく大事ですね。

中高生の服を好きになりたての頃、当時は大阪にいたんですが、服屋がたくさん集まっているアメリカ村に通うことで、お店に行く楽しさを知りました。その体験から「アパレルで働きたいな」と思うようになったので、来てくださるお客さんにもお店を楽しんでほしいですね。服を見て楽しいのはもちろん、店員さんと話せて楽しいと感じてほしいし、何年も前に買った服を手に取ったときに、「あの店員さんと話したな」なんて思い出してもらえたらすごく嬉しいです。

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