Netflix、バラエティ作品への注力を発表 制作者が語る「ラブ・イズ・ブラインド」の“誕生秘話”とは

Netflix、バラエティ作品への注力を発表

 近年、国内における動画配信サービス市場は非常に活況を帯びていると言える。

 海外発のHuluやNetflix、Amazon Prime Video。あるいは、dTVやFOD、U-NEXTといった日本発のサービスなど、市場を形成するプレイヤーは数多く存在し、熾烈な争いが繰り広げられているわけだ。

 そんななか、世界最大手の動画配信サービスとして知られるNetflixは、日本発のバラエティ作品のラインナップを充実させていくことを発表した。

 現在、企画中のバラエティ作品は約15作品に上り、そのうちの7作品は2022年内に配信予定だという。

 発表に先立ち行われたメディア向けラウンドテーブルでは、Netflixがバラエティ作品のジャンルを充実させていく狙いや、今後の展望についてのプレゼンが行われた。

2022年はさまざまなジャンルのバラエティ作品を充実させる

 Netflixは2015年9月に日本へ上陸して以来、今年で7年目に突入する。

 2020年の時点で500万ユーザーを超えており、これまでの国内作品は約90本を制作し、世界へ向けて配信を行っているという。

 特にここ数年では、スタジオ機能を内製化することに注力し、クリエイターとの独自ネットワークを築くことで、クオリティの高い作品を届けられるように体制を整えているそうだ。

 そんななか、全世界独占配信を開始した恋愛リアリティーショー「ラブ・イズ・ブラインド JAPAN」は、空前の話題作として反響を呼んだ。

 同作品について、コンテンツ部門 バイス・プレジデントの坂本和隆氏は「今現在の国の文化と時代性を切り取れるのが、リアリティー番組の魅力のひとつになっている。アメリカから始まった『ラブ・イズ・ブラインド』もブラジル版、日本版とリメイクが展開されてきたが、国によって文化背景が異なるからこそ、多様な視点で作品を楽しめるのがグローバルで展開しているNetflixならではの価値だと思う」と話す。

 また、坂本氏は「2022年は『浅草キッド』などのような長編映画に加え、バラエティ作品の強化を図り、類を見ないジャンルの豊かさを追求していきたい」と今後の展望を語った。

コメディ、リアリティ番組、ドキュメンタリーの3つに注力

 Netflixは米国を含めた一部の国に、バラエティ作品を作る専門の精鋭チームを有しているという。

 その国に根付いた新しい企画やテーマの発掘に力を入れており、これまでグローバルで数百以上のバラエティ番組を手がけてきた。

 そんななか、日本国内でもバラエティ作品の制作を強化するべく、体制を組成しているそうだ。

 そのなかでキーマンになるのが、Netflix コンテンツ部門プロデューサーの小林みつこ氏。

 同社へジョインする前は、「ラブ・イズ・ブラインド」の制作会社で働いており、リアリティ番組の制作を経験していた。

 「バラエティ作品の中でも『コメディ』『リアリティ番組』『ドキュメンタリー』の3つに注力する」と語る小林氏は作品づくりにかける思いについてこう述べる。

 「2022年3月8日に配信を開始した『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』は、大きな話題を巻き起こしている。元テレビ東京の佐久間宣行さんがプロデューサーとして手がけ、『自分が一番やりたかったチャレンジングな企画だった』とコメントを寄せるように、今までにないような企画を発掘し、配信コンテンツ拡充の次なる布石として魅力的なバラエティ作品を作っていきたい。

 世界中に拠点を持つNetflixの作品づくりにおける、確信のひとつが国を超えたストーリーの発掘と制作と言える。作品を現地版としてリメイクする際、現地の視聴者が親しみを持てるかを最も重要視していて、その国でベストな作品を生み出せるように意識している。Netflixの強みであるグローバルの連携力を生かし、多種多様なジャンルを展開できるように努めていく」

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