ドラマパートはおまけではない? 『トークサバイバー』で味わう新感覚の笑いと感動
そしてドラマパート。本編を見る前はあくまでドラマは「オマケ」感覚で捉えていたのだが、その考えはすぐに間違いだったと気付かされた。こんなにも「サスペンスとして面白い」とは思わなかった。ノブのツッコミが無ければバラエティだと気づかないほどの完成度で、先の読めないストーリー展開、回を増すごとに深まっていく謎、増えていく犠牲者、どんでん返しに次ぐどんでん返し。いったい「トークサバイバー」とはなんなのか、散りばめられた仕掛けが繋がっていく快感は『セブン』や『シックス・センス』を観た時に近いものがある。ゲスト俳優たちも見事というほかなく、髙橋ひかるの透明感溢れる演技、後藤剛範の重厚な演技、東出昌大の狂気的な演技、森永悠希の実直な演技、岡田浩暉の哀愁に満ちた演技、彼らがセリフを発するだけで場の空気が一瞬で引き締まる。特に、物語のキーとなる男・斉木を演じた間宮祥太朗はもはや化け物じみており、個人的にも「最も見たかった間宮祥太朗」がそこにはいた。それに反比例して、トークパートで思わず吹き出してしまう俳優達の「素」の表情を垣間見ることができるのは、NG集を観ているかのような特別感があり本当にありがたかった。
トークパートでコメディの世界に行ったかと思えば、ドラマパートで一気にシリアスな世界に引き戻される、この二重構造によって観る者をグイグイと引き込んでいき1ミリも視聴者を飽きさせることがない。番組終盤に全ての謎が明らかになり、この物語の糸を引いている「黒幕」の存在に気づいた時、冗談でもなんでも無くリアルに「腰が抜けた」。笑いと同時に鳥肌が立った経験は生まれて初めてだった。
大悟「未来には夢しか待ってねぇよ……? だって俺たちまだ17歳なんだぜ……?」
ノブ「どこがやねん! 完全に全員40オーバーやん!」
序盤に放たれたこのセリフが最終的にどんな意味を持つのか、価値観が180度変わる体験をぜひ味わってほしい。
【場面写真】「トークサバイバー! 〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜」(全23枚)
(画像=Netflixシリーズ「トークサバイバー! 〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜」全世界独占配信中)