連載「yunocy room」第三回:梨蘭&えいた

yunocyが梨蘭&えいたに聞く、“配信者同士”&猫との生活に必要なガジェットたち

 ゲームストリーマーのyunocyが、自身のゲーム部屋・配信部屋をアップデートすべく、ゲーマーの部屋やゲーム製品を作るメーカー、ときには大会の裏側やゲーム会社に潜入する連載「yunocy room」。第三回には、ゲーマータレント・ストリーマー・編集者として活動している梨蘭と、『EVO2016』でのTOP8入りなど、格ゲーシーンで多くの実績を残し、現在は忍ism Gamingのプレイヤー 兼 配信アドバイザー、ストリーマーとして活躍する、えいたが“夫妻”で登場。

 2人とそれぞれ親交のあるyunocyが、愛用している機材や部屋を作るうえでのコンセプトや理念、猫とともに暮らすうえでの対策や、ともに配信者であるがゆえの苦労と、それを解決した方法やガジェットについて、存分に話を聞いた。

つらい時期をともに乗り越えたことで深まった2人の絆

ーーまずはお2人の出会いを教えてください。

梨蘭:yunocyが最初にやったゲームのお仕事の現場ですね。あの当時はまだ制服着てたよね?

yunocy:17〜8歳ぐらいのころかな……その時に梨蘭ちゃんがスタッフとして手伝っていたんです。

梨蘭:私は当時からタレント業もやっていたんですけど、裏方仕事や配信のお手伝いもしていたんです。yunocyはそのとき学生さんで、「いまからゲームのお仕事をやっていきたいグラビアアイドルです」と自己紹介してくれました。そのあとにyunocyの事務所の先輩である倉持由香さんや吉田早希ちゃんと交流するようになって、私も2人とは仲が良かったこともあり、徐々に接近していきましたね。

yunocy:最近は『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』とかも一緒にやるようになりました。

梨蘭:仲良くなったきっかけは、仕事現場で一緒になることが多かったのと、とあるゲームの配信でお互い心身ともにダメージを負っていたので、その荒波をともにくぐり抜けたのはかなり大きいと思っています。

yunocy:たしかに。乗り越えた瞬間にニキビがなくなった記憶が(笑)。

梨蘭:当時のyunocyはすごく病んでたけど、いまは順調そうでよかった。

yunocy:えいた君とはどこで仲良くなったんだろう?

えいた:yunocyと仲良くなったのはここ数年の話で、たしか『Apex Legends』のカスタムマッチだと思う。

yunocy:それか!

ーーお互いの第一印象はいかがでしたか?

yunocy:梨蘭ちゃんを初めて見たときのことはよく覚えてます。OPENREC.のカウンターに、真っ黒の服を着て立ってたんですよ。めっちゃかっこいいお姉さんがいるなと思ってました。

梨蘭:うれしいです。私はyunocyのこと、第一印象もいまでも本当に真面目だなと思いますね。ふわふわした同世代の子が多い中、yunocyはやりたいことや好きなことが決まっていて、それに向かって頑張ってきた人だから。芯が強いよね。

ーー最近では何か相談されることはあるんですか?

梨蘭:悩んではいるけど、昔に比べたらいまは元気なんじゃないかなと思います。

yunocy:お母さんみたい(笑)。

引越しを決めた理由はネット回線 配信者ならではの家へのこだわりとは

ーーそれでは本連載の趣旨である、ゲーム部屋について伺います。部屋を作る上でのこだわりや、自分なりに気をつけていることはありますか?

えいた:僕はないんですけど、強いて言うなら“嫁に怒られないこと”ですね。片付けができないので、物を増やさず、いかに少なくするかがポイントです。

えいた氏の部屋(デスク周り)

梨蘭:本当に汚いんだよね。

えいた:地獄だよね。梨蘭ちゃんはこだわりある?

梨蘭:元々はタレント業や配信がメインだったんですが、コロナ禍でイベントのお仕事が減ったのをきっかけに、最近は編集の仕事を受けてるんですよ。作業をするにあたって自分のテンションが高まるように、身の回りをとにかく可愛く飾ってます。

梨蘭氏の部屋(デスク周り)

yunocy:テンションを上げる部屋にするのは大事。

梨蘭:えいたが6年前にゲーマーたちとシェアハウスをしてたことがあったんですが、その当時の写真をいま見てみると、ゴミの量にびっくりしますね。

えいた:あのときは「生きていければいい」という感じだったんです(笑)。気分が上がるも下がるも関係なく、ただパソコンの画面を見るだけだから。いまは家の中に家族がいることに最近気が付いたので、できるだけ片付けるようにしています。

yunocy:部屋を掃除すると運気も上がるしね。

梨蘭:そう思う。作業も長時間できるしね。

えいた:でもさ、掃除をしてもまたいずれは掃除をすることになるじゃない。同じことの繰り返しだよね。だからたとえば毎日の掃除を週1回に減らしたら、どれだけ時間の節約になるかと考えちゃうんだよ。

梨蘭:でもそれで鼻がムズムズしたりするくらいなら、こまめにした方がよくない? 今日はこの取材のために、1週間前からがんばって片付けました(笑)。

yunocy:えらい!(笑) 今回、2人に相談したいことがあって。私、最近猫を飼い始めたんですよ。猫のいる家の先輩として、配線周りとかをどうしているのか聞きたくて。私の場合、パソコンの電源を抜いたりするので、パソコンのある部屋には入れられないという問題があるんですが……。

えいた:僕もつい最近、大会の直前にモニターの電源を抜かれて、画面が消えちゃったことがありました。いろいろ対策はしてるんですが、うまいことくぐり抜けるんですよ。でも仕方ないことですから、向き合うしかないです。

梨蘭:うちは全員で5匹の猫がいるんですが、末っ子は噛み癖がひどくて……コードをいくつも噛みちぎられました。それからはコードはワイヤレスか、細いものは全部まとめて束ねるか、カバーをかけるようにしています。

えいた:配信中にコードを噛んじゃったこともあったね。大会中に部屋に入れておくことはできないとわかったので、部屋のドアをしっかり閉めたら、怒って隣の部屋におしっこされちゃったり、ドアがボロボロになったりしました……。

yunocy:それは大変だ……。あと、これはゲーム部屋というより家そのものの話になると思うんですが、梨蘭ちゃんとえいた君は2人とも配信者なので、物件選びをどういう基準でしたのか興味があって。

えいた:いまの家は、まずネット回線を基準に選びました。ひとつ前の家はマンションだったんですが、ネット回線がかなり遅くて。原因を調べてみたら、電話回線だとわかったんです。「光回線」と謳われていても、実はVDSL回線で、通信速度が遅い物件はすごく多くて、うちもそのパターンだったみたいで。それがわかった瞬間に引っ越しを決めました。そのうえで、猫が5匹飼える条件の家はほとんどなかったので、一軒家にしました。

梨蘭:どちらかが配信をしててアップデートが入ったとき、もう片方の配信が止まったこともあったね。大会中は怖くて家にいられなかったです。PCを起動したらアップデートが始まって、それが原因で喧嘩になっちゃったりしたし。

えいた:梨蘭ちゃんの配信中、俺はずっとWi-Fiに繋がないで携帯をいじってたりしたね。

梨蘭:企業案件の配信だと、止まることは致命傷につながるので、そこは2人でかなり慎重になっていました。

えいた:それがいまの家では完全に解消されたのは、本当に嬉しかったですね。猫がいたということもありますけど、ネット環境において一軒家という点も良い影響がありましたし。

yunocy:防音に関してはどうですか?

えいた:防音に関しては、窓に遮音シートを貼ってますが、十分ではないですね。本当は僕の尊敬するストリーマーであるこくじんさんと同じくらいの爆音で配信したいです。

梨蘭:あれは何か対策してるのかな?

えいた:防音室でやってるみたい。僕も買おうと思ってます。

yunocy:私も防音室ほしいなと思ったんだけど、家具にもこだわりたいから……。

えいた:梨蘭ちゃんがメルヘンな部屋にしたときに、俺も部屋をめちゃくちゃ改造しようと思ったんですよ。でも防音室を買うって決めたから、もう諦めました。

yunocy:結構大きな問題だよね。可愛くしたいもん。

梨蘭:えいた君は別にかわいくなくてもいいじゃん(笑)。

yunocy:一軒家なのに音に関するストレスはあるんだ。

えいた:むしろ一軒家における1番のストレスが“音”だと思う、東京は家同士が近いし。でもうちは幸い、ご近所さんに恵まれました。隣人さんにはお子さんがいらっしゃって、外で会うとお互い「うるさくないですか?」と聞き合うんです。僕もその方も「全然大丈夫ですよ」と答えるので、いい関係が築けていると思います。

梨蘭:それは本当に大きいよね。前のマンションのときは、配信中に警察が来たことがあったから。窓が開いていることに気がつかなくて、声がうるさかったのか「近所から苦情がありました」と言われて。

yunocy:私もポストに紙が入ってたことはあります。深夜にホラーゲームをやってて、「助けてー!」とか叫んでたから、DVされてると思ったのかも(笑)。

梨蘭:それは近所の方も怖かったと思うよ(笑)。ホラーゲームをやるなら防音室の方がいいね。

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