風変わりなキーボードを作る海外の奇人 文字を打つのが困難な完全ランダム配列を考案

 キーボードといえば、QWERTY配列と呼ばれるキーの配列を採用したものが世界的に普及しているが、「ハードウェア/ソフトウェアネクロマンサー」を名乗る海外の開発者、「Foone」氏は、「それではあまりにも普通すぎる」と考えているようだ。

 彼はむき出しの基盤にキーが乱雑に並んだ、彼いわく「物理学に基づいて設計されたキーボード」を製作し、自身のチャンネルに動画を投稿した。

 Foone氏はTwitterで今回のキーボードの製作過程を説明している。彼はまず、2Dの物理演算ソフトにキーの形をした文字ブロックを大量に放り込み、キーの間に隙間が空くように調整をくわえて配置を決めた。

 次に、電子基板の上にキーを固定し、入力のための回路をつないだ。基盤が歪んでしまったり、キー入力が正しく行えなかったりといったトラブルはあったものの、無事に作品は完成し、動画を投稿したとのことだ。Foone氏は「動画のなかで、6を入力しようとしているのに、間違えて9を入力していますね。これは私の位置からは9が逆さまに見えているからです」と冗談まじりに語っており、キーボードとしての実用性は低そうだ。

 彼がこうした風変わりなキーボードを製作するに至った背景には、Redditのコミュニティ「mechanicalkeyboards」に対してのとある怒りが原因だという。あるユーザーが古いIBM製のキーボードを改造し、最新のキーボードに作り変えるという投稿をした結果、それがコミュニティで流行となってしまったのだ。レトロPCマニアでもある彼にとってこれは最悪の出来事で、「そいつらのせいで、いまや改造前の正規品は品薄で、運良く手に入れられたとしても高額なんだ」とPCGamerの取材で語っている。奇妙なキーボードを製作するのは、そういったカルチャーへの風刺と意趣返しを兼ねているようだ。

 Foone氏が今回のような奇妙なキーボードを製作するのは初めてのことではない。以前にも彼は、二進数を用いて入力する「Binary Keyboard」や、1文字ごとにフロッピーディスクを入れ替えて文字を入力する「The FlopKey Floppy-Disk Keyboard」といった数々の”迷”作を生み出してきた。

 PCGamerの記者が「氷でできたキーボードはどうだろうか」と彼にアイデアを投じたところ、Foone氏は「いいアイデアだ、氷でできたタッチセンサーは試したけれど、キーボードはまだだね」と答える。彼の次の新作は氷のキーボードになるかもしれない。

〈Source〉
https://www.pcgamer.com/this-joker-makes-actively-hostile-keyboards-and-has-no-plans-to-stop/

関連記事