Microsoft、イギリス当局の指摘でサブスクを改良 いずれは日本でも「解約忘れ」がなくなる?

 Microsoftはイギリスの規制当局の指摘を受け、ゲーム・サブスクリプションサービス「Xbox Live Gold」「Xbox Game Pass」における契約条件を英国内において緩和するようだ。

 Microsoftのこうしたゲーム系サブスクリプションサービスは、いまや同社のゲーム部門のカギを握る一大事業だ。現時点で2500万人のユーザー数を誇る「Xbox Game Pass」では月額1100円(Ultimateプラン)で『Back 4 Blood』『Halo Infinite』など、最新タイトルを含む100以上のゲームをXbox Series X/SやWindowsPCでダウンロードしてプレイ可能で、さらにはクラウドサービスを利用してタブレット、スマートフォンなどのデバイス端末を通じてプレイでき、そのコストパフォーマンスの高さから日本国内においても発表当時から大きな話題となった。

 英国競争・市場庁(CMA)によれば、これらのサブスクリプションサービスにおける契約更新の際に、ユーザーが不利益を被ることをふせぐために、「Microsoftと改善の約束を取り付けた」としており、具体例としては以下のようなものになるようだ。

・契約条件をよりわかりやすくユーザーに伝えること。 たとえば、自動更新の契約であることや、その料金と更新タイミング、また誤って更新してしまった場合には、返金手続きの方法なども明示する。

・年間契約の途中解約を可能にすること。 既に年間契約を結んでいるユーザーへ向けて、途中解約を受け付け、日割りでの返金に応じる通知を実施すること。

・休眠ユーザーの自動解約を実施すること。 サービスを長期間利用していないユーザーへ解約方法の通知をおこない、それでもサービスを利用しないままである場合は、Microsoft側で課金を自動で停止する。

・サービス料金の値上げについてわかりやすく通知すること。 サービス料金の値上げをする場合、ユーザーにわかりやすく通知を行い、課金を停止する方法も合わせて周知徹底すること。

 加えて、CMAの発表資料のなかで同庁のMichael Grenfell氏は、「ゲーマーがこうしたサブスクリプションサービスを契約する際には、詳細な情報を受け取れるべきだ。MicrosoftがCMAの取り組みに応じて、公平性のある契約を提供すると約束してくれたことは非常に喜ばしい」とコメントしている。

 同氏は「こういったサブスクリプションサービスを提供している他の企業は、契約の公平性が担保されているかを改めて見直すべきだろう」ともしており、他企業の追随を期待しているようだ。

 なお、Microsoftの広報担当者はこれらの変更について「イギリス国内だけでなく、近いうちに全世界で実施する」と声明を発表しており、日本でも実施される日は近そうだ。日本国内においても「サブスクの解約忘れ」は話題になることが多く、この施策が実際に国内で実現するならばユーザから歓迎されることは間違いないだろう。

 同社は直近でActivision Blizzardとの約8兆円での買収の合意に達しており、『コール・オブ・デューティー』シリーズや『Diablo』シリーズ、『Overwatch』などの人気タイトルをXbox Game Passで提供することも計画していると発表した。こうした契約条件の緩和が利用者拡大のファクターとなる可能性もあり、引き続き注目したい。

・Source
https://www.theverge.com/2022/1/27/22904713/microsoft-xbox-subscriptions-changes-uk-cma-regulator
https://www.gov.uk/government/news/cma-secures-changes-to-xbox-subscription-practices
https://www.xbox.com/ja-JP/xbox-game-pass/

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