穏やかな物腰と強烈な存在感が同居する、シェリン・バーガンディの眼差し

 2022年1月22日と23日の2日間に渡って開催されるライブイベント『にじさんじ 4th Anniversary LIVE 「FANTASIA」』。にじさんじに所属するバーチャルタレント男女16名が出演するライブイベントであり、ぴあアリーナMMで開催予定だ。同事務所にとっては2022年が始まっていきなりの大型イベントとなる。

 イベント出演者にスポットをあてて執筆してきた本連載では、ここまで、夢追翔、白雪巴と順々にピックアップしてきた。今回は公式番組にも引っ張りだこなシェリン・バーガンディについて書いていこうと思う。

 2019年9月21日にデビュー配信を行ない、健屋花那早瀬走と共にデビューを果たしたシェリン。シェリンの身につけている赤、健屋の白、早瀬の黄をもとにした「チューリップ組」として、デビュー当時から頻繁に3人での配信を続けていた。現在は健屋が資格取得のために2021年6月から活動休止中、早瀬は2021年秋ごろに手術を受けて復帰しつつあるという状況なのもあり、最後に3人が揃って配信を行ったのは1年以上も前のこと。これだけ聞くと心配になる人もいるかもしれない。


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 筆者としては、むしろチューリップ組の3人が無事に復帰を果たしたときには、以前よりもパワーアップした3人を見られるのではないかと思っている。その理由は、3人全員がにじさんじ内外での番組MCやタレントとして活躍しつづけている点にある。

 早瀬は手術前までは『にじさんじのB級バラエティ(仮)』のメインMCとして、健屋はクイズバラエティ『にじクイ』のレギュラー回答者を務めるほか、バンダイナムコエンターテインメントが主導するダンスミュージックプロジェクト『電音部』では鳳凰火凛役で声優としても起用されている。

 シェリンもにじさんじの公式バラエティ番組『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』でのナレーションや、平日昼に不定期で配信される生配信番組『にじヌ→ン』でMCを務めている。チューリップ組の全員がバラエティ番組に出演し、その力を示しているという、にじさんじ内でもレアな立ち位置にいる3人なのだ。そんな3人だからこそ、2022年以降の活動にも期待して待っていたいところだ。

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 ナレーションを担当するほどに明瞭かつハッキリとした発話で聞き取りやすい声の彼だが、大型企画に参加した際には「シェリン・バーガンディです!!!!!!」とドデカい大声で自己紹介し、ナレーションの際にはアドリブでなにか面白いボケをネジこもうと狙う。とにかく存在感を示そうと試みるのが彼であり、「シェリン・バーガンディはボケる人」というイメージが先行するかもしれない。

 健屋と早瀬とのコラボ配信中に「どんな質問にもすべて答えていく」という罰ゲームを食らっても動じずに次々と返答していき、先輩である樋口楓とは公式番組でのナレーションをきっかけに、数年に渡って煽りあって笑いをとる関係を築くなど、煽られても拒むことなく受け止めて返そうとするスタイルは、舞元啓介のように「プロレス的」ともいえるものだ。

 ラーメンズ、バナナマン、東京03といったお笑い芸人を好んでいることもあり、イジる、イジられ、ボケる、ツッコむ、どのポジションに立っても場を盛り上げようとするのが彼らしさだといえる。

 そんな彼だが、どこか庶民的な顔も持ち合わせており、「ハイブランド系のファッションアイテムを買おうとするも値段にビビってしまい、結局購入せずに帰宅した」という話をしていたこともある。また、約1年ほど前に配信した『【凸待ち】誕生日記念凸待ち!!!!』では視聴者にこんなことを語りかけた。

 「『いまちょっと時間空いたし、シェリンが配信やってるし見に行くか』っていう気持ちで応援して頂けると幸いです。スーパーチャットやボイスなどでお金を使うのは絶対に、無理しない程度に。まずは、自分の体を大事にして欲しい。ぼくにウナギ代を出す前に、自分でウナギを食べてみる、それでまた人生が広がっていくと思います」

 リスナーの日常にも目配せして声をかける、その視点は庶民的であり、いま爆発的に売れているネットタレントとは思えないほどだ。

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