松坂大輔が引退試合前後の映像をYouTubeで公開 2021年に加速した「野球選手のYouTubeブーム」

 “平成の怪物”の代名詞で知られ、今季で現役を引退した元西武の松坂大輔。2021年10月19日に行われた彼の現役最後の登板では、“エース松坂”を象徴する背番号「18」のユニフォームで挑み、23年間の現役生活に幕を閉じた。

 そんな松坂が、2021年の12月23日に新たな一歩を踏み出した。それが、公式YouTubeチャンネル「松坂大輔 official YouTube」の開設だ。23日には予告動画が公開され、その翌日には「第1章」として、引退登板当日の朝から球場に向かうまでの心境を完全密着で赤裸々に語っている。

 動画では、引退試合に向かう車内にて「引退試合はお断りしていたんですよ」「投げた姿を人前で見せたくなかった」と本音を吐露。その後、幾度にわたる球団とのやり取りや「最後にユニフォーム姿を見たい」というファンからの熱望により、登板を決意したことを話す。

 「ある程度投げられる状態に近づけられた自信はある?」というスタッフからの問いかけには、「ないですね(笑)」ときっぱり。「ストレートが全くコントロールがきかない」と、思うように投げられない悔しさをにじませた。

 また、野球人生で悔いが残ったことについての話題になると「メジャーのイチローさんに対しての初球」と回答。盟友・イチローとの対決で初球にカーブを投げたことについて反省を述べ、「初球の後のイチローさんの顔を忘れられない」と苦笑いで振り返った。

 このように、引退した選手の知られざる心境を本人の口から聞くことができるのは、YouTubeの特権だといえるだろう。ここ数年では、松坂大輔のように野球を引退したプロ野球のOBや現役選手が、自身のYouTubeチャンネルを持つことも珍しくはなくなった。さらにその流れで、選手や野球界の出来事に対して、同じ時代を戦い抜いた仲間たちからYouTubeを通してコメントが寄せられるケースも増えている。

松坂さんは「人間としての格が違う」

 例えば、東北楽天ゴールデンイーグルス所属の田中将大は、松坂大輔の引退試合の翌日に自身のチャンネルで(ダルビッシュ有の言葉を借りて)「人間としての格の違いを見せられた」と延べ、自身と松坂の思い出を語った。

 また、今年は東京五輪のタイミングでも野球界のYouTubeが大いに盛り上がりを見せていた。それが野球日本代表「侍ジャパン」が東京五輪決勝・アメリカ戦を制して金メダルを獲得したこと。この金メダル獲得について、13年前の北京五輪にて故・星野仙一監督に率いられ願い叶わず4位に散ったメンバー、里崎智也や川﨑宗則、西岡剛、G.G.佐藤らが、それぞれYouTubeでコメントを残している。

 2021年は、このように野球界のYouTubeでの印象深い出来事が多い1年となった。2022年も、野球界のYouTubeにどのようなムーブメントが起こるのか、さらなる期待を寄せたい。

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